最近、『ガラパゴス化』というキーワードを見かけることが多くなった。生物学の世界でいうガラパゴス諸島の独自の進化のたとえのようだ。ビジネスの世界に置き換えてみよう。技術やサービス、商慣習などが日本市場で独自の進化を遂げたために世界標準から乖離してしまうことらしい。これは周回遅れとネガティブに解釈できる一方で、独自の進化を遂げているとポジティブに解釈することもできる。こんなことを考えているときに、私の上司から『がんばらない経営』という書籍の話題が飛び出した。まさにガラパゴス的な興味を惹くタイトルだ。『がんばらない』とはまるで時代に逆行するような響き。しかしその内容とは増収総益を続ける家電量販店、ケーズデンキの成長の物語なのである。
私流に翻訳すると『当たり前のことを当たり前に継続してやろう』ということのようだ。売上を上げようと必死にがんばる。無理をする。しかし、生身の人間がやること。短期的には成功しても長続きしない。続かなければ顧客の期待を損なう結果となる。経営とは終わりのない駅伝レース、区間賞では意味が無い。持続できる仕組みを作り、組織と人材をマネジメントしていくことが頑張らない経営の真髄のようだ。
新しいモノやサービスを創造することが重要であることは言うまでもない。一方で普遍的な価値を維持することも同じくらいに大切にすべきことではないだろうか。数百年、数千年の歴史が刻んだ世界遺産が空前の支持を得ている。変わらないという普遍的な価値が支持されているようだ。そろそろ価格競争という疲労感が漂う戦略を捨てて、偉大なるガラパゴスワールドへ一歩足を踏み入れてみてはいかがだろうか。
例えば5年保証、10年保証は当たり前。ならば100年保証というメッセージはどうだろう。顧客にとって親子孫三世代が持続的な価値を享受できる恒久感がありそうだ。がんばらないで持続できる価値を提供すれば、きっと新たな需要を創造できるはず。パソコンの画面を離れて、大きな紙と鉛筆を持ってアイデアを書き出してみよう。社員1人1が、がんばらずに顧客と共に毎日ワクワクできる仕組みのヒントが意外なところにたくさん眠っているような気がする。
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