2024年06月05日
サマリー
◆2024年6月株主総会シーズンが始まろうとしている。2024年6月株主総会におけるポイントとしては、(1)資本コストや株価を意識した経営への対応、(2)機関投資家議決権行使基準の厳格化への対応、(3)アクティビスト投資家等による株主提案への対応、が挙げられる。
◆近年の株主総会においては、政策保有株式の縮減に伴う安定株主の減少に加え、機関投資家株主比率の上昇及び機関投資家の議決権行使基準の厳格化に伴い、大手企業を中心に機関投資家の議案に対する賛否判断が議案の成否を左右する状況となっている。株主総会の位置づけも、「形式的な決議の場(いわゆるシャンシャン総会)」から「緊張感ある株主との対話の場」、そして「企業価値を踏まえた経営評価の場」に変わってきている。
◆そうした中、ここ数年で株主アクティビズムが一般化していることや、東京証券取引所による「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」の要請など、資本市場を取り巻く環境は大きく変化しており、「企業価値向上への取組み」が株主から経営陣への信認を集めるための重要な視点となっている。本年株主総会においては、特にPBR1倍割れの企業の経営トップに対して、従来以上に企業価値向上に向けた「覚悟」を株主に示すことが求められている。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
2023年6月株主総会シーズンの総括と示唆
経営陣とアクティビスト投資家の対立の先鋭化が目立つ
2023年09月19日
-
アクティビスト投資家の近時動向
一般化する株主アクティビズムと目立つM&Aアクティビズム
2024年03月11日