サマリー
◆政府によるスマホ料金の値下げ要請を「スマホ料金が安くなる」と単純化するのは間違いであろう。高価格・高品質なスマホ料金に対する消費者目線での検討、すなわち「顧客が本質的に何を求めているのか」に政府の問題意識はあると筆者は捉えている。本稿では、生命保険(生保)とスマホ両市場の類似性をみたうえで、生保市場におけるネット生保の普及過程からスマホ市場におけるMVNOサービス に何が示唆されるのかを分析している。
◆ネット生保は「料金はシンプル」「顧客ターゲットは共働きの若年夫婦」「ネット直販で安く」の三つの特徴を持っており、これらの特徴は生保市場の既存プレイヤーと対極にあったことがわかる。加えて、これらの差別化要因が価格以外のトリガーによって消費者に認知されたことがネット生保の普及ポイントであった。
◆MVNOサービスが購入に繋がる認知度を築くためには、顧客ターゲットを細分化することで大手携帯キャリアと価格以外での対立軸を作り出すことが肝要であろう。4P(Product、Price、Place、Promotion)それぞれを部分最適ではなく全体最適にし、安さの理由が伝わる消費者への訴求ポイントが必要だ。MVNOのみならず「格安」と呼ばれる新たな商品・サービスを検討するうえでこの視点は欠かせないだろう。
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