サマリー
◆確定拠出年金(DC)には企業型DCと個人型DC(iDeCo:イデコ)があり、両者間で個人資産を持ち運び(移換)できるポータビリティの機能を有している。企業型DCの加入者資格喪失時には、本人が自ら移換の手続きを行う必要があるが、その手続きをしていないために国民年金基金連合会に資産が自動的に移換される自動移換者が増えている。
◆加入者本人が主体となって老後の資産を形成するというDCの趣旨を踏まえると、自動移換者が増え続けることは制度普及の観点から問題である。また、自動移換された資産は運用されず手数料だけが控除され、資産額は目減りしていく。加入者にとって不利益であり、資産保護の観点からも対策が必要である。
◆現状を踏まえると、事業主による資格喪失時の移換手続きに関する説明を徹底させる必要がある。自動移換者を発生させない「入口」対策としては、加入者資格喪失者の移換先となるiDeCoを予め規定するなど制度的な対応が有効だろう。自動移換者を増やさない「出口」対策としては、DCの脱退一時金の受給要件を資産額が25万円以下とすること、資産額が0円の場合は自動移換の対象としないことなどを検討すべきだ。
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