サマリー
団塊ジュニア世代には、現在も不本意ながら非正規で働いていたり、ひきこもり状態にあったりするケースがある。その場合、将来の低年金が懸念される。将来不安は消費の抑制だけでなく、メンタルヘルス不調にも影響して生産性と賃金を引き下げている可能性がある。
団塊ジュニア世代の年金受給額を試算すると、この世代に多い単独世帯を中心に低年金が見込まれる。この世代の老後の経済的困窮を回避するためには、公的年金の水準低下を防ぐことが必要だ。
加えて、老後を豊かにするためには、①私的年金の柔軟な活用、②スキルアップや自己啓発を通じた賃金上昇、③学び直しによる長期雇用の実現、の3つの処方箋が必要だ。この処方箋の内容を実行するには、労働市場改革や就労支援、企業や団塊ジュニア世代自身の取り組みなどが不可欠となる。
年金制度の見直しと3つの方策を通じて団塊ジュニア世代の将来像が変われば、団塊ジュニア世代の下の就職氷河期世代の見通しも大きく変化する。団塊ジュニア世代の経済的不安を取り除きファイナンシャル・ウェルネスを改善することは、経済社会全体の活力向上につながるだろう。

大和総研調査本部が長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。
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