スマート健康経営のすすめ

~PHRを活用して効率的な予防・健康づくりを実現する~『大和総研調査季報』2024年夏季号(Vol.55)掲載

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2024年07月24日

サマリー

資本市場や労働市場からの注目度の高まりを受け、健康経営®に取り組む企業が増加している。実際、健康経営の評価が高いホワイト500では、従業員の生活習慣や健康状態が比較的良好であり、離職率も低い傾向が見られる。これらの成果を、健康経営が企業業績にプラスに働く前の中間指標として、定量的にわかりやすく示すことが重要だ。ホワイト500には、様々な実績値を経年で開示するケースも多い。

他方、健康経営の範囲は、広く社会課題にまで拡大している。それらは企業にとっても重い課題であり、企業の対応を軸とした取り組みが有効なことは間違いない。しかし、一段と進展する高齢化やマクロ経済環境の変化を前に、企業が健康投資を拡充できる余力は必ずしも大きくない。

そこで、費用対効果を意識して健康経営に取り組む視点が必要だ。PHR(Personal Health Record)を活用し、個々の健康状態やニーズに合わせたサービスを提供することで、医療費を抑制しつつ、従業員の健康を支えてパフォーマンスの向上につなげる。それを企業の持続的な成長の原動力としていくような、スマートな健康経営へのシフトが求められるだろう。

大和総研調査季報 2024年秋季号Vol.56

大和総研調査本部が長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。

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