サマリー
◆新型コロナウイルスワクチンの供給に関して国内の準備態勢が整いつつあるが、諸外国と比べ日本ではワクチン接種に対して消極的な向きが多い。日本よりもワクチン接種が進んでいるアメリカでワクチン接種率が伸び悩んでいることから、アメリカよりもワクチン接種への意欲が低い日本でもワクチン接種率が将来的に伸び悩み、集団免疫の獲得や経済回復が遅れる可能性があると考えられる。
◆日本では、高齢者以外の層、基礎疾患のない人、女性でワクチン接種意向率が低い傾向が見られることから、それらの層に対してワクチン接種を動機づける取組みを積極的に行うことが重要だろう。アメリカでは特定の層のワクチン接種者に対して懸賞や現金相当物の配布等の取組みがなされており、それぞれの事例は日本においても参考になる。
◆また、日本ではワクチン接種をためらう理由として「副反応への懸念」、「ワクチンの効果への疑問」が多く挙げられていた。この点を踏まえると、ワクチンの安全性や効果等に関するデータに基づいた情報発信を引き続き行い、ワクチン接種を推進することも重要になるだろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
健康経営の新たな戦略基盤
従業員多様化時代のウェルビーイングプラットフォームの可能性
2025年10月24日
-
健康経営の評価軸は「成果」へシフト
スコープは社会全体のウェルビーイング向上や経済成長にも拡大
2025年09月12日
-
従業員の経済的不安に、企業はどう応えるか
従業員の現在の備えと将来の資産形成を両立する米国企業の取り組み
2025年08月18日

