中小企業が見直すべき福利厚生とは
30年間で変化した多様な従業員ニーズを捉えた人事施策の重要性
サマリー
◆深刻な人手不足と人々のライフスタイルの多様化の中で、企業はいかに人材を確保し定着させるのか、その対応に迫られている。事業活動で得た収益を従業員へ還元し、従業員の定着やモチベーションの向上を図ることが、特に中小企業において求められているが、その方法には大きく賃上げと福利厚生の見直しがある。
◆従業員30~99人の企業において、法定外福利厚生費の約3割は従業員の私的保険料への拠出が占めている。従業員1人当たりの支給額は1,000人以上の企業の約3倍だ。結婚や出産、老後の資産形成などに対する従業員の考え方が多様化する中、私的保険料への拠出にだけ重点を置くのではなく、従業員の多様なニーズに中小企業の福利厚生制度がこたえていけるよう検討する時期に来ているのではないか。
◆近年の、福利厚生は余暇に利用する施設充実型から、仕事と家庭の両立を支援するサービスへと内容が変化している。従業員が希望するサービスやメニューを選択できる「カフェテリアプラン」の導入も広がっている。中小企業のように、限られた人件費で従業員の多様なニーズに応え、働きやすい制度環境を提供するためには、こうした取組みを参考にして福利厚生を見直すことも一案だ。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
-
2021年01月21日
2020年12月貿易統計
欧米での経済活動制限による需要減少を受け、輸出は足踏み
-
2021年01月21日
金融街シティは国際金融都市の座を死守できるのか?
金融サービスは合意なき離脱に突入、欧州大陸に株式取引がシフト
-
2021年01月21日
冬来たりなば
-
2021年01月20日
日本経済見通し:2021年1月
1-3月期は小幅な景気悪化を見込むも「二番底」リスクを排除できず
-
2021年01月21日
社外取締役に期待される役割の開示~改正会社法施行規則
よく読まれているリサーチレポート
-
2020年12月17日
2021年の日本経済見通し
+2%超の成長を見込むも感染状況次第で上下に大きく振れる可能性
-
2020年12月01日
2020年10月雇用統計
有効求人倍率が1年半ぶりに上昇
-
2020年11月20日
日本経済見通し:2020年11月
経済見通しを改訂/景気回復が続くも、感染爆発懸念は強まる
-
2020年08月14日
来春に改訂されるCGコードの論点
東証再編時における市場選択の観点からも要注目
-
2020年10月15日
緊急事態宣言解除後の地域別観光動向/Go To トラベルキャンペーンのインパクト試算
ローカルツーリズムが回復に寄与するも、依然厳しい状況が続く