サマリー
◆企業における働き方の課題は、産業によって特性の違いがあるため、一律の改革を行うことには限界がある。各産業で、どのような課題があるのか、その実態と課題を踏まえたうえで、対応する必要がある。
◆2014年からの3年間を見ると、ほとんどの産業で週60時間以上の雇用者割合は低下している。ただ、産業によって、年次有給休暇取得率や週休制、年間就業日数等は異なっており、労働時間に影響を与えている。これらの実態を踏まえた政策や自主的な対応が、国や各企業には求められる。
◆残業が発生する理由としては、業務の繁閑が激しい、人員が不足している、仕事の性質や顧客の都合、といったことを掲げる企業が多い。確かに、人手不足感の強い産業では長時間労働者の割合が高い傾向がある。
◆定期給与に占める所定外給与の割合が高い産業においては、今後、業務の効率化等、労働生産性の向上が図られ長時間労働が是正された場合に、雇用者の生活水準が低下しないような配慮が必要である。長時間労働の是正は、労働生産性と賃金の向上という課題そのものである。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
大介護時代における企業の両立支援
〜人的資本のテーマは「介護」にシフト〜『大和総研調査季報』2025年春季号(Vol.58)掲載
2025年04月24日
-
2025年度の健康経営の注目点
ISO 25554の発行を受け、PDCAの実施が一段と重視される
2024年12月24日
-
健康経営で高評価を得るポイント
政策の方向性を踏まえた対応と、データ活用による効果検証が必要
2024年09月20日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
トランプ関税で日本経済は「漁夫の利」を得られるか?
広範な関税措置となっても代替需要の取り込みで悪影響が緩和
2025年03月03日
-
地方創生のカギとなる非製造業の生産性向上には何が必要か?
業種ごとの課題に応じたきめ細かい支援策の組み合わせが重要
2025年03月12日
-
中国:全人代2025・政府活動報告を読み解く
各種「特別」債で金融リスク低減と内需拡大を狙う
2025年03月06日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
トランプ関税で日本経済は「漁夫の利」を得られるか?
広範な関税措置となっても代替需要の取り込みで悪影響が緩和
2025年03月03日
地方創生のカギとなる非製造業の生産性向上には何が必要か?
業種ごとの課題に応じたきめ細かい支援策の組み合わせが重要
2025年03月12日
中国:全人代2025・政府活動報告を読み解く
各種「特別」債で金融リスク低減と内需拡大を狙う
2025年03月06日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日