サマリー
◆一億総活躍社会の実現に向けて働き方改革は、政府の重要課題となっている。特に、長時間労働は、労働者の健康の阻害につながる可能性が指摘されており、社会経済を支える貴重の人材の損失になりかねないことから、働き方改革の推進を妨げる大きな要因のひとつと考えられる。
◆確かに、企業の労働時間短縮に向けた動きが活発化しており、日本の労働時間は減少傾向にあるが、依然として主要先進国の中でも長時間労働の割合は高い水準を保っており、週60時間以上働く労働者はいまだに450万人存在する。さらに、月の所定外労働時間が80時間以上の労働者で、労災保険の支給決定件数は高まる傾向があり、長時間労働の議論には労働者の健康を守る視点が必要であろう。
◆効果的な長時間労働対策を実施している企業に、共通する項目の中で、経営者によるトップダウンでの意識改革が最も重要であるとされている。
◆この意味において、長時間労働の是正を含む労働者の健康管理を経営戦略に反映して実践する「健康経営」の推進が注目されよう。健康経営が、企業パフォーマンス(時価総額)に及ぼす影響についての検証も進められており、さらに多くの企業の経営者の長時間労働に対する意識改革が進むことを期待したい。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
企業が今取り組むべき健康施策のポイント(後編)
健康投資の拡大と実効性向上に向けたデータ活用
2026年08月03日
-
企業が今取り組むべき健康施策のポイント(前編)
2026年度健康経営度調査にみる重点施策の方向性
2026年07月28日
-
高市政権のイノベーション政策の論点
テキスト分析でみる「統合イノベーション戦略2026」
2026年07月22日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本の長期金利、2035年に5%台の可能性
2035年に3.5~4.2%程度で、海外保有拡大で1%pt超の上乗せも
2026年10月16日
-
増える高齢富裕層とその地域分布
高齢富裕層はどこにいるのか、その資産は今後どこへ向かうのか
2026年10月01日
-
金利上昇と「資本コストや株価を意識した経営」
金利上昇による資本コスト上昇は限定的だが引き続き要注視
2026年10月13日
-
預貸率における地域間格差
東京都への一極集中と地域金融機関に期待される対応
2026年10月02日
-
飲食料品の消費減税による消費行動への影響
買い控え・反動増は限定的。外食支援策は実態を見極めた対応を
2026年10月19日
日本の長期金利、2035年に5%台の可能性
2035年に3.5~4.2%程度で、海外保有拡大で1%pt超の上乗せも
2026年10月16日
増える高齢富裕層とその地域分布
高齢富裕層はどこにいるのか、その資産は今後どこへ向かうのか
2026年10月01日
金利上昇と「資本コストや株価を意識した経営」
金利上昇による資本コスト上昇は限定的だが引き続き要注視
2026年10月13日
預貸率における地域間格差
東京都への一極集中と地域金融機関に期待される対応
2026年10月02日
飲食料品の消費減税による消費行動への影響
買い控え・反動増は限定的。外食支援策は実態を見極めた対応を
2026年10月19日

