家計の実質可処分所得の推計(2011~2018年)

なぜ、マクロでは実質可処分所得が増加しているのに実感がないのか

RSS

2019年04月12日

サマリー

◆2018年分までの賃金統計等をもとに、2011~2018年のモデル世帯の家計の実質可処分所得の推移を推計した(以前のレポートに加え、2018年分を新たに推計した)。

◆2018年は、設定した5つのモデル世帯すべてで実質可処分所得が増加し、2014年以後の増加トレンドが継続している。現役世帯全体を概観すると、平均値としては2018年時点で2011年と同水準以上の実質可処分所得を確保しているものと考えられる。

◆もっとも、30代以上の世帯における実質可処分所得の平均値の増加は、専業主婦だった妻がパートや正社員として働くなど「女性の働き方」が変わった少数の世帯による大幅な実質可処分所得の増加によりもたらされており、「女性の働き方」が変わらない多数の世帯における実質可処分所得は若干減少している。

◆このため、マクロで見た(加重平均値の)実質可処分所得は増加しているものの、多くの世帯では暮らし向きが改善した実感を持てないという状況になっている。

このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。