景気回復で所得税が増えても法人税が増えていないのはなぜか?

受取配当の増加で「法人が負担する所得税」が増えている

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2018年10月02日

サマリー

◆第2次安倍政権発足以後、所得税の税収は伸びたが、法人税の税収は伸び悩んでいる。

◆法人税の税収が伸び悩んでいる要因としては、法人税の減税が行われてきたことも挙げられる(2013年度~2018年度の改正で年0.9兆円減)が、それよりも「法人が負担する所得税」が増加していること(2017年度は2012年度比で推計年2.0兆円増)の影響が大きい。国内法人が受け取る配当には所得税が課されるが、その所得税額は法人が納めるべき法人税額から控除される。近年の法人の受取配当の増加により、「法人が負担する所得税」が増加傾向にある。

◆「法人が負担する所得税」を所得税から控除し法人税に加算する調整を行うと、2012年度以後、法人税の増収幅は所得税の増収幅と同程度かやや上回る水準で推移している。

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