2023年01月26日
サマリー
◆2022年12月9日、金融審議会市場制度ワーキング・グループ「顧客本位タスクフォース」(以降、本TF)は「中間報告」を取りまとめ、公表した。本稿では、「中間報告」に盛り込まれた事項の中でも、「顧客本位の業務運営に関する原則の一部のルール化」について解説する。
◆本TFではルール化に馴染む顧客本位の業務運営に関する原則の事項として、原則3「利益相反の適切な管理」と原則4「手数料等の明確化」について議論され、「中間報告」ではこれらの事項の情報提供についてルール化すべきとまとめられた。これらは顧客が適切な金融商品を選択するためには、販売会社等による適切な情報提供が重要であるとの見方からルール化が提言された。
◆今後、利益相反の可能性の情報提供および手数料等の顧客への情報提供が、法令等で定められる可能性が高い。これらの情報提供が法令で定められても、法令遵守に加えて、引き続き金融事業者が主体的に創意工夫を発揮して、顧客本位の業務運営に取り組むことが期待されている。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
顧客本位タスクフォースの中間報告
最善利益義務、デジタル技術の情報提供への活用、認定アドバイザー、金融リテラシー、プロダクトガバナンスの確保
2022年12月14日
-
顧客本位タスクフォース中間報告 最善利益義務の制定
2022年12月20日
同じカテゴリの最新レポート
-
開示府令の改正案が公表(2026年から一部適用)
有価証券報告書のサステナビリティ情報、人的資本、総会前開示に関する改正案
2025年12月10日
-
フィンフルエンサーの規制と取締りに関する海外動向
国境を越えた規制協力、フィンフルエンサー向け教育や認証制度の必要性
2025年11月19日
-
政策保有株式の縮減状況~2024年版~
保有銘柄数・保有額は前年比で2割程度の縮減
2025年11月11日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2025年10月
高市・自維連立政権の下で経済成長は加速するか
2025年10月22日
-
非財務情報と企業価値の連関をいかに示すか
定量分析の事例調査で明らかになった課題と今後の期待
2025年11月20日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
第227回日本経済予測
高市新政権が掲げる「強い経済」、実現の鍵は?①実質賃金引き上げ、②給付付き税額控除の在り方、を検証
2025年11月21日
-
グラス・ルイスの議決権行使助言が大変化
標準的な助言基準を廃し、顧客ごとのカスタマイズを徹底
2025年10月31日
日本経済見通し:2025年10月
高市・自維連立政権の下で経済成長は加速するか
2025年10月22日
非財務情報と企業価値の連関をいかに示すか
定量分析の事例調査で明らかになった課題と今後の期待
2025年11月20日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
第227回日本経済予測
高市新政権が掲げる「強い経済」、実現の鍵は?①実質賃金引き上げ、②給付付き税額控除の在り方、を検証
2025年11月21日
グラス・ルイスの議決権行使助言が大変化
標準的な助言基準を廃し、顧客ごとのカスタマイズを徹底
2025年10月31日

