米国のIPOに関わる規制見直しの動き

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  • ニューヨークリサーチセンター 上野 まな美
  • 金融調査部 主任研究員 鳥毛 拓馬

サマリー

◆米国財務省は、2017年10月6日に「経済的機会を創出する金融システム 資本市場」 と題する報告書を公表した。同報告書は、資本市場に関わる規制のうち経済成長と資本形成を妨げる規制の特定と検証を行ったものであり、特に中小企業の成長を促進する規制の見直しに焦点が当てられている。


◆中小企業や新興企業のIPOを促進する規制として、オバマ前政権で2012年に成立した新興企業促進法(Jumpstart Our Business Startups Act: 以下JOBS法)がある。財務省の報告書によると、同法により、一時的に米国のIPOは増加したものの、その後は、IPOが減少している旨指摘されている。このため、同報告書ではJOBS法の改善や、SEC規則の見直しなどが提言されている。


◆2017年6月8日に連邦下院で可決した2017年金融選択法案(Financial CHOICE Act of 2017)にも、JOBS法をさらに緩和する法案が盛り込まれており、トランプ政権、議会共和党いずれも中小企業や新興企業のIPOに関わる規制を見直す意向があることがうかがえる。

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