2015年02月06日
サマリー
◆2015年1月28日、金融審議会「投資運用等に関するワーキング・グループ」は適格機関投資家等特例業務(金融商品取引業者として登録することなく行われる、いわゆるプロ向けファンド業務)に対する規制見直しに関する報告をとりまとめた。
◆適格機関投資家等特例業務に関しては、制度を悪用した投資家被害などが多く発生したことを受けて、昨年、業務を行う者が、ファンドの販売等を行うことができる投資者のうち適格機関投資家以外の者(アマ)の範囲について、現行の人数要件(49名以下)に加えて、一定の属性(金融商品取引業者等(法人のみ)、ファンドの運用者とその役職員等、上場会社、外国法人、一定の要件(投資性金融資産1億円以上など)を満たす個人など)に該当する者に限定するという要件を追加する改正案が示されていた。
◆これに対して、ベンチャー・キャピタル関係者や消費者関係者などから様々な意見が寄せられた。そこで改めて金融審議会の場で議論が行われることとなった。
◆今回の報告では、ファンドの販売等を行うことができる投資者の範囲を、昨年の改正案よりは拡大(緩和)する一方、適格機関投資家等特例業務を行う者に対して、一定の行為規制(適合性原則、分別管理義務など)、人的要件、開示義務などを課すことを提言している。
◆今後、報告の提言に沿って、法令の改正等が進められるものと思われる。
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