2019年02月01日
サマリー
◆2019年1月23日、日本とEUの間で、相互の円滑な個人データ移転を図る枠組みが発効し、相互に「個人データの移転を行うことができるだけの十分なデータ保護の水準を持つ」と認めた(十分性認定)。
◆十分性認定により、EU域内から日本への個人データの移転の際に、拘束的企業準則や、標準データ保護条項が必要なくなると考えられる。ただし、EU一般データ保護規則(GDPR)の適用対象である日本法人について、十分性認定発効以後も変わらずGDPRが適用されることには注意が必要である。
◆十分性認定に基づき、EU域内から日本に移転された個人データは、日本の個人情報保護法だけでなく、「個人情報の保護に関する法律に係るEU域内から十分性認定により移転を受けた個人データの取扱いに関する補完的ルール」にも従って扱わなければならない。
◆十分性認定により、日本からEU域内への個人データの移転において、本人の同意は必要ないとされた。ただし、EU域内にある事業者が日本の個人情報保護法の適用対象であるならば、十分性認定発効以後も変わらず個人情報保護法が適用されることには留意すべきである。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
不行使議決権は会社のもの
株主総会を変えるエクソンモービルの個人株主議決権行使プログラム
2025年10月07日
-
株主提案天国は終了か?:テキサス州法改正
株主提案権制度をSEC規則による規制から州法による規制に変える
2025年05月19日
-
東証投資単位引き下げで変わる株主総会
議決権1つの価格が下がれば、株主提案権も「大安売り」に
2025年04月28日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
第226回日本経済予測(改訂版)
低成長・物価高の日本が取るべき政策とは?①格差問題、②財政リスク、を検証
2025年09月08日
-
聖域なきスタンダード市場改革議論
上場維持基準などの見直しにも言及
2025年09月22日
-
今後の証券業界において求められる不正アクセス等防止策とは
金融庁と日本証券業協会がインターネット取引の新指針案を公表
2025年09月01日
-
日本経済見通し:2025年9月
トランプ関税で対米輸出が大幅減、製造業や賃上げ等への影響は?
2025年09月25日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
第226回日本経済予測(改訂版)
低成長・物価高の日本が取るべき政策とは?①格差問題、②財政リスク、を検証
2025年09月08日
聖域なきスタンダード市場改革議論
上場維持基準などの見直しにも言及
2025年09月22日
今後の証券業界において求められる不正アクセス等防止策とは
金融庁と日本証券業協会がインターネット取引の新指針案を公表
2025年09月01日
日本経済見通し:2025年9月
トランプ関税で対米輸出が大幅減、製造業や賃上げ等への影響は?
2025年09月25日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日