2013年03月01日
サマリー
2006年2月に法務省が、民法(債権法)について、抜本的見直しを行うという方針を決定して以降、法制審議会では、民法(債権法)の改正に向けた議論が進められている。民法は私法の一般法であるとされ、日常生活や経済活動などを規律する基本的な法律ではあるものの、この改正の議論は案外、広く知られていないのではないだろうか。民法は1896年(明治29年)に制定され、制定から既に110年以上を経過している。これまでも民法の部分的な見直しは行われてきた。しかし、今回、民法の債権法の部分に関して初めて抜本的な見直しが行われているのである。
本稿では、そもそも債権法とは何か、なぜ債権法の改正が行われようとしているのかという点について説明するとともに、2012年12月まで法制審議会で行われた議論を概観する。民法は、重要な法律であるため、必要な審議期間を十分に確保しつつ慎重に議論が進められており、改正法の成立は早くても2014年以降になることが予想される。
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