企業の情報開示はどこに向かうのか?

~IFRS、開示、統合報告~『大和総研調査季報』 2013年春季号(Vol.10)掲載

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2013年06月03日

サマリー

IFRS(国際会計基準)への対応が注目された米国では、結論を先送りした。他方で、IFRSを設定するIASB(国際会計基準審議会)は、今後のアジェンダを取りまとめた。IASBの監督機関であるIFRS財団は、特定の国ではなく、複数の国の会計基準設定主体との協力関係を築くため、会計基準アドバイザリー・フォーラム(ASAF)を設置した。わが国のASBJ(企業会計基準委員会)はそのメンバーとなっている。


財務諸表の注記の開示増加に伴い、作成者からも利用者からもその整理・体系化を求める声が高まっており、米国のFASB(財務会計基準審議会)、欧州財務報告諮問グループ(EFRAG)、IASBが首尾一貫した開示のフレームワークの設定を検討しており、その動向に注意を払う必要がある。


他方で、IIRC(国際統合報告評議会)が、財務情報と非財務情報のエッセンスを、ビジネスモデルをベースに統合し、投資家その他のステーク・ホルダー向けに報告する統合報告を検討している。その背後には、短期主義・四半期報告への批判もあるが、投資家にとっては短期、中期、長期のバランスの取れた開示が望まれるところである。

大和総研調査季報 2024年春季号Vol.54

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