サマリー
IFRS(国際会計基準)への対応が注目された米国では、結論を先送りした。他方で、IFRSを設定するIASB(国際会計基準審議会)は、今後のアジェンダを取りまとめた。IASBの監督機関であるIFRS財団は、特定の国ではなく、複数の国の会計基準設定主体との協力関係を築くため、会計基準アドバイザリー・フォーラム(ASAF)を設置した。わが国のASBJ(企業会計基準委員会)はそのメンバーとなっている。
財務諸表の注記の開示増加に伴い、作成者からも利用者からもその整理・体系化を求める声が高まっており、米国のFASB(財務会計基準審議会)、欧州財務報告諮問グループ(EFRAG)、IASBが首尾一貫した開示のフレームワークの設定を検討しており、その動向に注意を払う必要がある。
他方で、IIRC(国際統合報告評議会)が、財務情報と非財務情報のエッセンスを、ビジネスモデルをベースに統合し、投資家その他のステーク・ホルダー向けに報告する統合報告を検討している。その背後には、短期主義・四半期報告への批判もあるが、投資家にとっては短期、中期、長期のバランスの取れた開示が望まれるところである。
大和総研調査本部が長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
同じカテゴリの最新レポート
-
2022年以降の制度改正予定(企業会計編)
2022年02月09日
-
投資信託の時価算定の取扱いが明らかに
「時価の算定に関する会計基準の適用指針」の改正
2021年09月15日
-
2021年以降の制度改正予定(企業会計編)
2021年02月10日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
-
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
-
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日