サマリー
◆ IASBは、包括利益プロジェクトに関して、FASBと共同のワーキング・グループを設置することとしていたが、2004年11月22日、そのワーキング・グループのメンバーを公表した。2005年1月から検討を開始する予定としており、これにより、企業の業績報告のあり方に関する議論がIASBで再開されることとなる。
◆ IASBでは、業績報告のあり方について、純資産の変動額を利益と認識する“包括利益”を業績の指標とし、当期純利益を廃止する方向で2001年から検討を行ってきた。しかし、反対意見が多かったことなどから、2004年に入りプロジェクトでの検討が停止していたものである。
◆ IASBが業績報告のあり方を変更したとしても、即座にわが国の会計基準に影響するものではない。しかし、国際的な会計基準の調和の観点から、わが国でも包括利益に関する議論が高まる可能性は否定できない。業績の開示方法は、すべての企業に関する大きな問題であるため、今後の議論の行方が注目されるところである。
◆ IASBでは、業績報告のあり方について、純資産の変動額を利益と認識する“包括利益”を業績の指標とし、当期純利益を廃止する方向で2001年から検討を行ってきた。しかし、反対意見が多かったことなどから、2004年に入りプロジェクトでの検討が停止していたものである。
◆ IASBが業績報告のあり方を変更したとしても、即座にわが国の会計基準に影響するものではない。しかし、国際的な会計基準の調和の観点から、わが国でも包括利益に関する議論が高まる可能性は否定できない。業績の開示方法は、すべての企業に関する大きな問題であるため、今後の議論の行方が注目されるところである。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
のれんに関してASBJが意見聴取を実施する
のれんの非償却の導入・償却費計上区分の変更が提案された
2025年08月06日
-
のれんの償却・非償却に関する議論の展望
2025年07月07日
-
2022年以降の制度改正予定(企業会計編)
2022年02月09日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
-
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
-
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日