サマリー
◆2021年7-9月期の実質GDP成長率は前期比年率+2.0%と前期から大きく減速した。新型コロナウイルス(デルタ株)の感染再拡大によって家計の消費行動が消極化するとともに、サプライチェーンの混乱によって企業活動が停滞した。
◆調整局面が続く住宅投資に加え、個人消費や設備投資が急減速したことで、実質国内最終需要は前期比年率+1.0%と、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う急激な落ち込みから回復に転じた2020年7-9月期以降で最も低い伸びとなった。
◆10-12月期は新型コロナウイルスの感染状況が改善傾向にある中で、個人消費が再びペースアップすることが期待される。しかし、サプライチェーンの混乱は、10-12月期も引き続き重石となり得る。輸送面での供給制約やエネルギー価格の高騰によって投入コストが高止まりし、インフレ加速は継続することが見込まれる。サプライチェーンの混乱が企業活動を引き続き抑制するとともに、インフレ加速を懸念する家計の消費行動が重石となることがリスク要因といえよう。
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