FOMC 想定通りの利上げ開始

正常化に踏み出すも最大で年間1%ptの利上げペースを想定

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2015年12月17日

  • 土屋 貴裕
  • ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 橋本 政彦

サマリー

◆2015年12月15日~16日に開催されたFOMC(連邦公開市場委員会)では、事実上のゼロ金利政策を解除し、全会一致で政策金利の誘導目標レンジを0.25%pt引き上げた。


◆米国経済の現状認識は「緩やかなペースで拡大している」とされ、10月の前回会合から据え置かれた。個別には労働市場の改善の進捗が強調され、インフレに対する見方はやや慎重さを増した。


◆次回の利上げは経済情勢次第として明確なガイダンスはないが、FOMC参加者による政策金利の見通しの中央値を見ると、2016年と2017年は年間1%ptずつ、2018年は年間0.875%ptの利上げペースを見込んでいる。


◆2回目以降の利上げはインフレ動向、特に賃金上昇がポイントだろう。加えて、金融市場、内外経済などへの影響を確認する必要がある。金利見通しで示された利上げ幅は最大の利上げ幅と言え、結果的に利上げは年に2~3回程度になると想定する。

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