サマリー
◆6月の非農業雇用者数は前月差8.0万人増となり、市場予想を下回り、3ヶ月連続で一ケタ台の低い増加幅にとどまったため悪い内容であったと言えるだろう。雇用者数は、2011年12月から2月にかけて平均で約25万人のペースで増えてきたものの、3月から減速し、ここ3ヶ月間で勢いが半分以下になった格好である。政府部門は0.4万人減となり、引き続き労働市場の足を引っ張っている。そのうえ、注目される民間部門の雇用者数も8.4万人増と市場予想を下回り、2011年8月以来、10ヶ月ぶりの低水準となった。
◆6月の失業率は8.2%と横ばいであったが、より細かくみると8.22%になり5月の8.21%から0.01%ポイント上昇した(市場予想は前月と変わらない8.2%)。失業者数は2.9万人増と2ヶ月連続の増加となった。失業率は2月以来の高水準となったが、上昇の主因は移民などによる16歳以上人口の増加である。4月に1981年以来の低さとなった労働参加率は63.8%と前月から変わらず、非労働力人口は前月から3.4万人増加して、僅かながら失業率を押し下げている。さらに、家計調査ベースでは就業者数が12.8万人増加しており、失業率を0.1%ポイント押し下げている。したがって、就業者数は増加したもののこの程度の増加幅では、一定のペースで16歳以上人口が増加し続ける米国においては失業率を押し下げることができない。事業所調査の雇用者数の増加とあわせても、足下の雇用改善ペースでは物足りない内容だ。
◆6月の失業率は8.2%と横ばいであったが、より細かくみると8.22%になり5月の8.21%から0.01%ポイント上昇した(市場予想は前月と変わらない8.2%)。失業者数は2.9万人増と2ヶ月連続の増加となった。失業率は2月以来の高水準となったが、上昇の主因は移民などによる16歳以上人口の増加である。4月に1981年以来の低さとなった労働参加率は63.8%と前月から変わらず、非労働力人口は前月から3.4万人増加して、僅かながら失業率を押し下げている。さらに、家計調査ベースでは就業者数が12.8万人増加しており、失業率を0.1%ポイント押し下げている。したがって、就業者数は増加したもののこの程度の増加幅では、一定のペースで16歳以上人口が増加し続ける米国においては失業率を押し下げることができない。事業所調査の雇用者数の増加とあわせても、足下の雇用改善ペースでは物足りない内容だ。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
同じカテゴリの最新レポート
-
非農業部門雇用者数は前月差+14.7万人
2025年6月米雇用統計:民間部門の雇用者数は減速も、失業率は低下
2025年07月04日
-
米国経済見通し 駆け込みの反動一巡後の注目点は?
追加関税措置次第となる中、トランプ大統領を“TACO”と嘲るべからず
2025年06月24日
-
FOMC 様子見姿勢を継続
経済指標の基調の捉えにくさと正確性への懸念は利下げ遅延リスクを高める
2025年06月19日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
第225回日本経済予測(改訂版)
人口減少下の日本、持続的成長への道筋①成長力強化、②社会保障制度改革、③財政健全化、を検証
2025年06月09日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
「トランプ2.0」、外国企業への「報復課税」?
Section 899(案)、米国に投資する日本企業にもダメージの可能性有
2025年06月13日
-
日本経済見通し:2025年5月
経済見通しを改訂/景気回復を見込むもトランプ関税などに警戒
2025年05月23日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
第225回日本経済予測(改訂版)
人口減少下の日本、持続的成長への道筋①成長力強化、②社会保障制度改革、③財政健全化、を検証
2025年06月09日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
「トランプ2.0」、外国企業への「報復課税」?
Section 899(案)、米国に投資する日本企業にもダメージの可能性有
2025年06月13日
日本経済見通し:2025年5月
経済見通しを改訂/景気回復を見込むもトランプ関税などに警戒
2025年05月23日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日