サマリー
◆2017年1-3月期GDP二次速報の発表を受けて、経済見通しを改訂した。改訂後の実質GDP予想は2017年度が前年度比+1.5%(前回:同+1.5%)、2018年度が同+1.1%(同:同+1.1%)であり、概ね予測値に変更はない。
◆先行きの日本経済は、①堅調な外需、②在庫投資に支えられる形で2017年度にかけて成長が加速した後、緩やかに減速し、2018年度は①本格的な雇用環境改善と②生産性向上投資に牽引され、内外需のバランスの取れた成長軌道を辿ると予測している。
◆生産年齢人口の減少や労働参加率の上昇余地縮小などを背景に、日本の労働市場は漸く、正規社員も含めた本格的な飽和の局面に近づいている。賃金インフレのカウントダウンが始まっており、今後の家計消費の拡大や、人手不足対応投資(省力化・研究開発・企業の合従連衡等)の進展を促す可能性が高まっている。
◆他方、先行きの外需については一定の注意が必要だ。Fedは既に複数回の利上げを行い、さらに年内のバランスシート縮小開始計画を発表しており、米国のみならず、新興国に対する景気下押し圧力がもたらされる可能性がある。大和総研のシミュレーションによれば、米欧の出口戦略が世界経済に与える影響は2017年▲0.04%、2018年▲0.16%、2019年▲0.31%と試算される。
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