サマリー
◆経済見通しを改訂:2016年10-12月期GDP一次速報の発表を受けて、経済見通しを改訂した。改訂後の実質GDP予想は2016年度が前年度比+1.3%(前回:同+1.3%)、2017年度が同+1.3%(同:同+0.9%)、今回から新たに予測した2018年度が同+1.1%である。先行きの日本経済は、①輸出の持ち直し、②在庫調整の進展に加えて、③底堅い消費・設備投資に支えられた内需の回復により、バランスの取れた成長軌道へと移行する見通しである(→詳細は、熊谷亮丸他「第192回 日本経済予測」(2017年2月17日)参照)。
◆トランプ政権成立で何が起きるのか?:2017年1月に米国でトランプ政権が成立したことを受け、①保護貿易主義化、②移民政策、③米国の通貨戦略についてその影響を検証した。主な結論は以下の3点である。第一に、米国がNAFTAから脱退するだけであれば、日本経済への影響は軽微なものにとどまるが、国境税調整が導入された場合には、日本の実質GDPは▲0.4%程度下押しされる可能性がある。第二に、200万~300万人の不法移民の強制送還によって労働者が減少すれば、米国の潜在GDPは▲0.7~▲1.1%程度押し下げられるリスクがある。第三に、為替市場では短期的にはドル高が進む可能性が高いものの、中長期的にみると、インフレ懸念が後退した際には、トランプ大統領が本格的な「ドル安政策」に踏み切る可能性がある(→トランプ政権成立が日本経済に与える影響についてご関心のある方は、弊社が2016年12月に緊急出版した『日経プレミアシリーズ:トランプ政権で日本経済はこうなる』(日本経済新聞出版社)をご一読いただきたい)。
◆日本経済のリスク要因:今後の日本経済のリスク要因としては、①トランプ大統領の政策、に加えて、②中国経済の下振れ、③米国の「出口戦略」に伴う新興国市場の動揺、④地政学的リスクおよび政治リスクを背景とする「リスクオフ」、⑤英国のEU離脱交渉や欧州金融機関のデレバレッジ、の5点に留意が必要だ。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
同じカテゴリの最新レポート
-
主要国経済Outlook 2026年3月号(No.472)
経済見通し:世界、日本、米国、欧州、中国
2026年02月25日
-
2026年もトランプ関税に翻弄される世界経済
2026年02月25日
-
日本経済見通し:2026年2月
経済見通しを改訂/米中を中心とした外需の下振れリスクに注意
2026年02月24日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
-
理系進路選択に対する男女差の要因分析
女性の理系人材を増やすには、より早期段階での介入や対応が必要
2026年02月06日
-
2026年の東証改革の方針
上場会社の質の向上と新陳代謝を促進する市場機能の強化
2026年02月02日
-
高市政権の財政政策は更なる円安を招くのか
財政支出の拡大ショックは翌年の円安に繋がる
2025年12月18日
-
第228回日本経済予測
第2次高市政権の重点政策、どう進めるか①外国人労働者受け入れ、②消費減税/成長・危機管理投資、を検証
2026年02月20日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
理系進路選択に対する男女差の要因分析
女性の理系人材を増やすには、より早期段階での介入や対応が必要
2026年02月06日
2026年の東証改革の方針
上場会社の質の向上と新陳代謝を促進する市場機能の強化
2026年02月02日
高市政権の財政政策は更なる円安を招くのか
財政支出の拡大ショックは翌年の円安に繋がる
2025年12月18日
第228回日本経済予測
第2次高市政権の重点政策、どう進めるか①外国人労働者受け入れ、②消費減税/成長・危機管理投資、を検証
2026年02月20日

