日本経済見通し:景気下振れリスクが強まる

日本経済が抱える5つのリスク要因に要注意

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2015年10月21日

  • 調査本部 副理事長 兼 専務取締役 調査本部長 チーフエコノミスト 熊谷 亮丸
  • 金融調査部 主任研究員 長内 智
  • 岡本 佳佑
  • 小林 俊介
  • 経済調査部 シニアエコノミスト 久後 翔太郎
  • 永井 寛之
  • 山口 晃

サマリー

日本経済の下振れリスクが強まる:日本経済の下振れリスクが強まっている。政府は10月の月例経済報告(10月14日発表)において、景気の現状判断を1年振りに引き下げた。仮に2015年7-9月期の実質GDP成長率がマイナスだと、2四半期連続のマイナス成長となり、日本経済が「景気後退」に陥ったと認定される可能性も生じてくる。


日本経済が抱える5つのリスク要因:日本経済は、①中国経済の下振れ、②米国の出口戦略に伴う新興国市場の動揺、③地政学的リスクを背景とする世界的な株安、④ユーロ圏経済の悪化、⑤財政規律喪失への懸念を背景とする将来的な「トリプル安(債券安・円安・株安)」の進行、という5つのリスク要因を抱えている。今回のレポートでは、これらのリスクの中で、現在、金融市場関係者にとって最大の関心事である、中国経済の循環的側面に焦点を当てて、掘り下げた分析を行った。当社は、中国経済の底割れは当面回避されるとみている。中国は純粋な「資本主義」ではないので、少なくとも向こう1~2年程度、いかようにでも問題を先送りすることは可能である。また、中国の個人消費は主として株価ではなく、不動産価格によって規定されるが、足下では不動産価格が底入れした模様である。さらに、世界経済のドライバーは依然として米国であり、仮に中国経済が少々減速した場合でも、日本経済に与える悪影響は限定的とみられる。

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