サマリー
◆日本経済は引き続き拡大:今後の日本経済は、①米国経済回復による輸出の持ち直し、②日銀の金融緩和を受けた円安・株高の進行、③消費税増税に伴う経済対策の効果などから、引き続き拡大する見通しである。当社は、実質GDP成長率に関して、2013年度が前年度比+2.2%、2014年度が同+1.0%、2015年度が同+1.5%と予想している(→詳細は、熊谷亮丸他「第180回 日本経済予測(改訂版)」(2014年3月10日)参照)。日本経済のリスク要因としては、①新興国市場の動揺、②中国の「シャドーバンキング」問題、③「欧州ソブリン危機」の再燃、④地政学的リスクを背景とする原油価格の高騰、の4点に留意が必要である。
◆日銀は物価目標を達成できるか?:今回のレポートでは、日銀が物価目標を達成できるか否かについて検討した。日銀が掲げる「物価上昇率2%」目標実現の可能性は、黒田総裁就任当初と比べて徐々に高まりつつある。ただし、為替、賃金、期待インフレ率などの動向次第では、日銀の物価目標達成の可能性は排除できないものの、当社の現時点におけるメインシナリオでは、消費者物価上昇率は2%には届かないとみている。なお、日銀による追加的な金融緩和は2014年7-9月期以降にずれ込む見通しである。
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