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日本経済見通し:「アベノミクス」の中間評価

日本経済は「アベノミクス」の効果もあり、着実な景気拡大が続く

2013年05月22日

リサーチ本部 副理事長 兼 専務取締役 リサーチ本部長 チーフエコノミスト 熊谷 亮丸

サマリー

◆経済見通しを上方修正:2013年1-3月期GDP一次速報を受け、経済見通しを改訂した。改訂後の実質GDP予想は2013年度が前年度比+3.1%(前回:同+2.7%)、2014年度が同+0.7%(同:同+0.4%)である。日銀の金融緩和を受けた円安進行に伴う輸出環境の改善や、株高を背景とする個人消費の増加などを勘案し、経済見通しを上方修正した(→詳細は、熊谷亮丸他「第177回日本経済予測」(2013年5月21日)参照)。


◆「アベノミクス」の中間評価:当社は、安倍政権の経済政策(いわゆる「アベノミクス」)の中間評価を行った。「アベノミクス」は、①大胆な金融政策、②機動的な財政政策、③民間投資を喚起する成長戦略、という「三本の矢」から構成される。日本経済復活の起爆剤となり得る適切な経済政策であり、とりわけ金融政策は着実に成果を上げている。今回のレポートでは、日銀が掲げる「物価上昇率2%」目標の実現可能性を検証した。GDPギャップの縮小のみによって物価目標を達成するのは困難であり、期待インフレ率の大幅な上昇が不可欠である。また、当社の短期マクロモデルを用いて「アベノミクス」の経済効果を定量的に検証すると、円安・株高の好影響は、長期金利が大幅に上昇しない限り、相殺されないとみられるため、フローの経済は当面好調を維持する見通しである。他方で、中長期的な財政赤字問題に対しては、日本政府が従来以上に腰を据えて取り組むことが必要になるだろう。


◆日本経済のメインシナリオ:日本経済は2012年3月をピークに景気後退局面に入ったものの、2012年11月をボトムに景気は底入れしたとみられる。今後に関しても、日本経済は、①米国・中国経済の持ち直し、②復興需要の継続と大型補正予算の編成、③日銀の大胆な金融緩和を受けた円安・株高の進行、などに支えられて景気拡大が継続する見通しである。上記③に関連して、当社は、ドル円相場は緩やかな円安・ドル高基調で推移すると予想している。また、実体経済との比較からは、現状の株価が依然として過大評価された水準だとは言い難いと考えている。


◆日本経済のリスク要因:今回のレポートでは、日本経済のリスク要因について検証した。今後の日本経済のリスク要因としては、①イタリア・スペインの政局不安などをきっかけとする「欧州ソブリン危機」の再燃、②日中関係の悪化、③米国の財政問題、④地政学的リスクを背景とする原油価格の高騰、の4点に留意が必要である。

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