サマリー
◆日本経済のメインシナリオ:今後の日本経済は、メインシナリオとして、(1)東日本大震災発生に伴う「復興需要」、(2)米国を中心とする海外経済の持ち直し、(3)日銀の事実上の「インフレ目標」導入を受けた円安の進行、という「3本の矢」に支えられて、緩やかな景気拡大が続く見通しである。
◆リスク要因:日本経済のリスク要因としては、(1)「欧州ソブリン危機」の深刻化、(2)地政学的リスクを背景とする原油価格の高騰、(3)円高の進行、(4)原発停止に伴う生産の低迷、の4点に留意が必要である。今回のレポートでは紙幅の関係もあり、特に重要性が高い上記(1)と(2)についてのみ、詳細な分析を行うこととしたい。第一に、欧州諸国の国債のヘアカット率に関する3つのシナリオを設定した上で、日本経済に与える影響を算定したところ、最悪のケースでは、わが国の実質GDPは4%以上押し下げられる可能性がある。今後の「欧州ソブリン危機」の展開次第では、日本経済が「リーマン・ショック」並の打撃を受ける可能性が皆無ではない。第二に、イラン情勢緊迫化などを背景に原油価格が高騰した場合、日本企業の交易条件悪化などを通じて、日本経済が「ミニ・スタグフレーション(不況下の物価高)」に陥るリスクがある。
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