サマリー
◆2025年4月1日に公表予定の3月日銀短観において、大企業製造業の業況判断DI(最近)は+12%pt(前回調査からの変化幅:▲2%pt)、同非製造業では+32%pt(同:▲1%pt)と予想する。
◆大企業製造業では、米トランプ政権の関税政策を背景に幅広い業種で弱気な回答結果が示されると予想する。設備投資需要の減退を見据えて資本財業種などの回答結果が下振れするとみている。また中国経済の減速懸念から、中間財セクターや対中輸出比率が高い業種も低調となろう。足元のコメ価格の高騰は一部企業の収益悪化を招いており、「食料品」などの業況判断DI(最近)を押し下げるとみている。
◆大企業非製造業では、円安を背景としたインバウンド消費の回復と、人件費などのコスト増の影響が混在するだろう。また、物価高による消費者の買い控え姿勢の強まりが企業マインドを悪化させるとみている。
◆2024年度の設備投資計画(全規模全産業、含む土地、ソフトウェアと研究開発投資額は含まない)は前年度比+6.7%と予想する。また2025年度の設備投資計画(全規模全産業、同ベース)は前年度比+4.1%と予想する。先送りされてきた更新投資などに加え、DX・GX関連投資の実行を見込んだ計画が示されよう。他方、トランプ政権の関税政策を受けた世界経済の不確実性の高まりは設備投資意欲を押し下げるだろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年10月貿易統計
トランプ関税の悪影響が継続。今後は米中リスクにも警戒が必要
2025年11月21日
-
2025年10月全国消費者物価
サービス価格や耐久消費財価格の上昇が物価上昇率を押し上げ
2025年11月21日
-
中国の渡航自粛要請は日本の実質GDPを0.1~0.4%下押し
今後は対中輸出などへの波及に要注意
2025年11月21日

