サマリー
◆2024年12月日銀短観では、大企業製造業の業況判断DI(最近)は+14%pt(前回+差1%pt)、大企業非製造業では+33%pt(同▲1%pt)となった。大企業製造業の改善はごく一部のセクターの急回復に起因しており、これを差し引いてみれば景況感の明確な改善には依然として距離がある。
◆大企業製造業では、価格転嫁が進んだとみられる「石油・石炭製品」(前回差+26%pt)が大幅に改善した。他方で幅広い業種が冴えない結果となった。「自動車」(同+1%pt)では、8月下旬の台風による工場稼働停止の影響が剥落したものの改善幅は限定的だった。大企業非製造業では、インバウンド需要の影響を受けやすい「小売」(同▲15%pt)や「宿泊・飲食サービス」(同▲12%pt)などが悪化した。
◆最近の疑似交易条件(販売価格判断DIと仕入価格判断DIの差)を見ると、大企業では製造業・非製造業ともに改善が続いている。輸入価格の高騰によるコストプッシュインフレの影響が弱まる中、仕入価格の上昇ペースの鈍化が続いていることが要因だ。総じてみれば、今回調査の結果は日本銀行による12月の追加利上げを後押しする材料とはならないだろう。
◆2024年度の全規模全産業の設備投資計画(含む土地、ソフトウェアと研究開発投資額は含まない)は前年度比+9.7%だった。12月調査としてはやや高めの修正率であり、堅調な結果といえる。コロナ禍や物価高で企業が先送りしてきた更新投資や能力増強投資に加え、人手不足に対応するための省力化投資などの需要が蓄積しているとみられる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
消費データブック(2026/8/5号)
個社データ・業界統計・JCB消費NOWから消費動向を先取り
2026年08月05日
-
2026年4-6月期GDP(1次速報)予測~前期比年率+2.9%を予想~
個人消費の増加と中東情勢による輸入の減少で3四半期連続プラス
2026年07月31日
-
2026年6月雇用統計
失業率は2.5%と前月から横ばい、就業者数は減少
2026年07月31日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
26年度最低賃金改定のポイント①
高市政権はより緩慢な引上げを容認/改定内容への説明責任が焦点
2026年07月09日
-
中国経済見通し:成長率目標に早くも黄信号
12.5%追加関税の影響は限定的だが、内需が急減速
2026年07月28日
-
令和9年度介護報酬改定に向けた注目点
改革工程に掲げられた重要論点の具体化が求められる
2026年06月29日
-
26年度最低賃金改定のポイント②
全国加重平均は1,160円台(4%前後の引き上げ)に着地か
2026年07月21日
-
骨太方針のポイント① ~危機管理投資・成長投資で高成長を実現できるか
米国を上回る生産性向上ペースが必要で成長戦略の進捗管理も課題
2026年07月13日
26年度最低賃金改定のポイント①
高市政権はより緩慢な引上げを容認/改定内容への説明責任が焦点
2026年07月09日
中国経済見通し:成長率目標に早くも黄信号
12.5%追加関税の影響は限定的だが、内需が急減速
2026年07月28日
令和9年度介護報酬改定に向けた注目点
改革工程に掲げられた重要論点の具体化が求められる
2026年06月29日
26年度最低賃金改定のポイント②
全国加重平均は1,160円台(4%前後の引き上げ)に着地か
2026年07月21日
骨太方針のポイント① ~危機管理投資・成長投資で高成長を実現できるか
米国を上回る生産性向上ペースが必要で成長戦略の進捗管理も課題
2026年07月13日

