供給力強化で建設投資の拡大を目指せ

中小建設業におけるICT施工の普及やBIM/CIMの活用が課題

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2024年10月15日

  • 石川 清香

サマリー

◆足元では建設投資の需要は堅調である一方、人手不足を背景とした供給制約が足かせとなっており、着工の遅れや選別受注による工事の先送りなどが生じている。今後も建設業の就業者数の減少が見込まれる中で、建設投資の拡大を維持するためには、労働生産性の向上がこれまで以上に求められる。

◆生産性向上には、ICT施工(情報通信技術を活用した施工)の普及などによる省人化が不可欠だ。国土交通省による「i-Construction」の推進によりICT施工の活用が進んでいるが、大企業と中小企業の間で普及率に大きな差がある。建設業のソフトウェア装備率の水準は他の産業と比べて低いほか、上昇ペースは主要国に見劣りする。

◆ICT施工の普及や、BIM/CIM(Building/Construction Information Modeling, Management、建設プロセスのデジタル化)の活用による建設業の供給力強化を官民で推進する必要がある。そのためには、ICT施工などの原則化をさらに強化しつつ、ソフトウェア導入の費用補助といった支援の拡大や、IT人材の派遣事業の検討などが必要だ。

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