サマリー
気候変動対策で悪影響を受ける産業・地域・労働者に対する移行措置(Transition)が必要だ。これは「公正な移行」(Just-Transition)と呼ばれており、EUでは経済復興のための基金「次世代EU」内に関連基金を設置するなど対応を進めている。英国では企業に対してスキル獲得支援を行った。
EUや英国の事例を踏まえると、今後の日本には雇用・スキルの見通しをもとにバックキャスティングで取り組むこと、スキルを監査・認定する仕組み、スキルを獲得しやすい環境、地域間を移動できる仕組み等の整備が必要となろう。日本と欧州の雇用慣行の違いを踏まえると、企業に対して従業員のスキル獲得を促す仕組み等、人材面から企業の移行を支援する形が求められよう。ただし、従業員のスキル獲得に向けた柔軟な勤務体制を含む働き方への配慮等の環境整備が課題だ。あわせて、個人に対する支援も必要だ。
日本で悪影響が大きくなると予想されるのが電力セクターであり、火力発電が縮小した場合、電力セクターやそのサプライチェーンに携わる産業の雇用が減少する。該当セクターの労働者のうち、3~4割は気候変動対策が進展する20年後にも現役世代であり、この層への支援が必要である。

大和総研調査本部が長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年12月消費統計
サービスは概ね横ばいも財が弱く、総じて見れば前月から減少
2026年02月06日
-
理系進路選択に対する男女差の要因分析
女性の理系人材を増やすには、より早期段階での介入や対応が必要
2026年02月06日
-
消費データブック(2026/2/3号)
個社データ・業界統計・JCB消費NOWから消費動向を先取り
2026年02月03日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
中国によるレアアース・レアメタルの輸出規制は日本の実質GDPを1.3~3.2%下押し
供給制約により、自動車産業を中心に生産活動の低迷が懸念される
2025年12月05日
-
2026年の日本経済見通し
1%弱のプラス成長を見込むも外需下振れや円急落、金利高等に注意
2025年12月23日
-
2026年度税制改正大綱解説
給付付き税額控除導入を含めた所得税の抜本的改革が必要
2025年12月25日
-
中国経済:2025年の回顧と2026年の見通し
不動産不況の継続と消費財購入補助金政策の反動で景気減速へ
2025年12月23日
-
「飲食料品の消費税ゼロ」の経済効果
世帯あたり年8.8万円の負担軽減になり個人消費を0.5兆円押し上げ
2026年01月20日
中国によるレアアース・レアメタルの輸出規制は日本の実質GDPを1.3~3.2%下押し
供給制約により、自動車産業を中心に生産活動の低迷が懸念される
2025年12月05日
2026年の日本経済見通し
1%弱のプラス成長を見込むも外需下振れや円急落、金利高等に注意
2025年12月23日
2026年度税制改正大綱解説
給付付き税額控除導入を含めた所得税の抜本的改革が必要
2025年12月25日
中国経済:2025年の回顧と2026年の見通し
不動産不況の継続と消費財購入補助金政策の反動で景気減速へ
2025年12月23日
「飲食料品の消費税ゼロ」の経済効果
世帯あたり年8.8万円の負担軽減になり個人消費を0.5兆円押し上げ
2026年01月20日

