サマリー
◆賃金の伸び悩みは日本経済の長年の課題だが、一般労働者の所定内給与を学歴別に見ると、とりわけ大卒・大学院卒者の賃金が低迷しており、40代でその傾向が顕著だ。背景は様々あるが、主に非役職者の賃金低下やシェア拡大が下押し要因となっている。
◆業種別に見ると、医療福祉や製造業、情報通信業など幅広い業種で賃金が下落しており、就職氷河期の影響が示唆される。また、製造業や金融業では特に、部長や課長といった管理職のシェアの低下が賃金低下に寄与している。
◆企業が賃金の源泉である収益を拡大させない限り、全体の賃金を持続的に引き上げることはできない。収益を拡大させずに、若年労働者の確保を優先すれば、相対的に労働者の数が多い中年層以上の賃金の下押し圧力は一層高まるだろう。 なお、40代の賃金を大きく下押しした医療・福祉関連業では、岸田政権が現在進めている公的価格の見直しが賃金上昇の一助になるだろう。
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