1. トップ
  2. レポート・コラム
  3. 経済分析
  4. 日本
  5. ウクライナ危機による資源高の影響

ウクライナ危機による資源高の影響

短期的には家計が2.0兆円、企業が2.6兆円の負担増に

2022年05月16日

経済調査部 エコノミスト 岸川 和馬

サマリー

◆ロシアによるウクライナ侵攻を背景に、サプライチェーンの逼迫や資源高への懸念が高まっている。円安や資源高を受け、国内では既に素原材料から中間財への価格転嫁が進んでいる。他方で最終財への価格転嫁は鈍く、消費者物価指数の上昇ペースは緩やかだ。今後は中間財から最終財、そして家計への価格転嫁がどのように進むかが焦点となろう。そこで本稿では、資源高の波及による企業・家計への影響について分析した。

◆国内での高騰が予想されるのは、日本の輸入に占めるロシア産のシェアが高い品目だ。こうした輸入品の高騰に伴い海外への所得流出が予想されるが、この流出分は国内の家計や企業が主に負担することとなる。産業連関表を用いて2022年3月までに上昇した資源価格の影響を試算したところ、短期的な負担額は家計部門で2.0兆円、企業部門で2.6兆円と企業側の負担が大きくなるとみられる。ただし、時間の経過とともに価格転嫁が進むことで、最終的には家計部門が2.6兆円、企業部門が2.0兆円となる。

◆試算結果の内訳を見ると、サプライチェーンの川下で特に企業負担が大きくなることが分かった。最終的には資源高の影響の過半を家計が負担するとはいえ、企業負担も無視できない。とりわけ価格転嫁が進むまでは、負担額の大きい運輸・郵便、石油・石炭製品、化学製品、飲食料品、対個人サービスといった業種のうち、川下に近い事業者の負担が大きくなるとみられる。

このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加