サマリー
◆2021年12月の全国コアCPI(除く生鮮食品)は前年比+0.5%と、コンセンサス(同+0.6%)を下回り、伸び率は11月から横ばいとなった。商品市況の高騰などの影響を受け、エネルギーによる押し上げが続いた一方、サービスが全体を下押しした。足元のコアCPIの上昇は主としてエネルギーに起因しており、それを除いた物価の基調は足踏み状態にある。
◆2021年12月の全国コアCPIを財・サービス別に見ると、「電気代」や「都市ガス代」などのエネルギーの伸び率が上昇した一方、食料(生鮮食品・外食を除く)の伸び率は11月からほぼ横ばいであった。サービスでは、Go Toトラベル事業の裏の影響が発現している「宿泊料」の伸び率が低下し、全体での下押し圧力は強まった。
◆コアCPIの前年比は、様々な要因が混在しつつも、全体としては緩やかに上昇幅を拡大するとみている。ただし、新型コロナウイルスのオミクロン株の動向が当面の不確定要素だ。2021年10-12月期のGDPギャップは改善したとみられるものの、2022年以降は感染動向次第で再び悪化に転じる可能性もある。感染拡大の影響でマクロの需給バランスが悪化すれば、物価への下押し圧力がかかるだろう。
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