2020年10-12月期GDP(1次速報)

2四半期連続の大幅なプラス成長で着地。1-3月期はマイナス成長へ

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2021年02月15日

  • 経済調査部 シニアエコノミスト 神田 慶司
  • 山口 茜

サマリー

◆2020年10-12月期の実質GDP成長率は前期比年率+12.7%(前期比+3.0%)と、市場予想(前期比年率+9.5%)を上回った。7-9月期の同+22.7%には及ばないものの、2四半期連続で高い成長率を記録した。新型コロナウイルス感染拡大を受け、現行統計史上最大のマイナス成長を記録した4-6月期の実質GDPは45兆円ほど減少したが、その後の2四半期で落ち込みの9割超を回復した。需要項目別に見ると、特に輸出と個人消費が押し上げた。

◆2021年1-3月期の実質GDP成長率は前期比年率▲8%程度を見込んでいる。緊急事態宣言の再発出の影響を受け、個人消費を中心に落ち込むだろう。ただし消費抑制額は前回宣言時の3割程度に留まり、輸出や設備投資は比較的底堅く推移するとみられる。1日当たり新規感染者数はこのところ減少傾向にある一方、一部地域では感染力の強い変異株が検出されている。宣言解除後に人出が急速に回復すれば感染が再拡大する可能性が高く、感染状況と経済への影響を引き続き注視する必要がある。

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