サマリー
◆コロナショック下の雇用対策は雇用調整助成金(以下、雇調金)を軸として、その弱点を補い、また実効力を強化するべく展開されてきた。その内容は、短時間労働者への適用範囲の拡大、助成率の100%への引上げまたは休業手当支払い自体の「代行」、日額上限の引上げなど多岐にわたる。
◆コロナショック下の雇調金等の支給決定額はリーマン・ショック時を大幅に上回るペースで増加してきた。その結果、すでに2度の補正予算で計上された予算の大部分が執行されている。企業側は休業手当の支払いに当たり多額の費用を負担したとみられるが、雇調金等の支給決定額を見る限り、一連の雇用対策によって企業負担のかなりの部分は軽減されたとみられる。
◆大幅に拡充された雇調金等の「正常化」を検討していく上では、新型コロナ流行の影響が業種ごとにばらつきがあり、今後の業況の回復ペースも大きく異なる可能性に注意が必要だ。雇調金等の利用要件を徐々に厳格化(緩和措置を調整・廃止)しつつ、必要な企業に限り支援を継続することが望ましいと思われる。また、感染爆発が発生して緊急事態宣言の再発出など、厳しい自粛要請が行われる可能性も否定できないため、こうした局面変化に柔軟に対応できるような体制の整備も肝要だ。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2026年8月全国消費者物価
電気・ガス料金支援でエネルギー価格下落、コアCPI上昇率は低下
2026年09月18日
-
日銀、9月会合で1.25%に利上げ 今後も利上げ路線を堅持
家計の利払い負担増は賃金上昇が吸収も利上げ長期化リスクに留意
2026年09月18日
-
2026年8月貿易統計
中東情勢による資源高が続き、4カ月連続の貿易赤字
2026年09月16日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2026年ジャクソンホール会議の注目点は?
ウォーシュ議長はインフレ抑止に対する姿勢を明確に打ち出すか
2026年08月20日
-
“TACO”指数で読む トランプ大統領の“TACO”化の兆し
市場と世論が映す政策転換のサイン
2026年08月13日
-
高市政権誕生後の長期金利をどうみるか
2035年に3.3~4.0%程度で、海外保有拡大で更なる上昇も
2026年08月12日
-
第230回日本経済予測
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年08月21日
-
GPIFガバナンス改革の功罪と課題解決の道
目先の運用見直しの可能性は低いが、硬直的運用への対応が課題
2026年08月13日
2026年ジャクソンホール会議の注目点は?
ウォーシュ議長はインフレ抑止に対する姿勢を明確に打ち出すか
2026年08月20日
“TACO”指数で読む トランプ大統領の“TACO”化の兆し
市場と世論が映す政策転換のサイン
2026年08月13日
高市政権誕生後の長期金利をどうみるか
2035年に3.3~4.0%程度で、海外保有拡大で更なる上昇も
2026年08月12日
第230回日本経済予測
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年08月21日
GPIFガバナンス改革の功罪と課題解決の道
目先の運用見直しの可能性は低いが、硬直的運用への対応が課題
2026年08月13日

