サマリー
◆コロナショック下の雇用対策は雇用調整助成金(以下、雇調金)を軸として、その弱点を補い、また実効力を強化するべく展開されてきた。その内容は、短時間労働者への適用範囲の拡大、助成率の100%への引上げまたは休業手当支払い自体の「代行」、日額上限の引上げなど多岐にわたる。
◆コロナショック下の雇調金等の支給決定額はリーマン・ショック時を大幅に上回るペースで増加してきた。その結果、すでに2度の補正予算で計上された予算の大部分が執行されている。企業側は休業手当の支払いに当たり多額の費用を負担したとみられるが、雇調金等の支給決定額を見る限り、一連の雇用対策によって企業負担のかなりの部分は軽減されたとみられる。
◆大幅に拡充された雇調金等の「正常化」を検討していく上では、新型コロナ流行の影響が業種ごとにばらつきがあり、今後の業況の回復ペースも大きく異なる可能性に注意が必要だ。雇調金等の利用要件を徐々に厳格化(緩和措置を調整・廃止)しつつ、必要な企業に限り支援を継続することが望ましいと思われる。また、感染爆発が発生して緊急事態宣言の再発出など、厳しい自粛要請が行われる可能性も否定できないため、こうした局面変化に柔軟に対応できるような体制の整備も肝要だ。
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