サマリー
◆2020年7月の全国コアCPI(除く生鮮食品)は前年比+0.0%と市場予想(同+0.1%)を下回り、2ヶ月連続で横ばいとなった。物価の基調を示す新コアコアCPI(除く生鮮食品、エネルギー)の前年比は+0.4%と前月から横ばいだった。
◆コアCPIを品目別に見ると、ガソリンなどのエネルギー価格において前年比のマイナス幅が縮小したほか、「外国パック旅行費」が前年比でプラス転換したことなどが全体を押し上げた。他方で「高速自動車国道料金」が全体を押し下げたが、これは6月下旬から再開された高速道路利用料の休日割引措置の効果が7月に全面的に表れたためだろう。また、耐久消費財では「携帯電話機」の前年比伸び率がマイナスに転じた。
◆先行きの全国コアCPIの前年比はエネルギー価格上昇の影響もあり、9月までは0%前後で推移するとみている。10月以降は消費増税などの押し上げ効果(+0.3%pt程度)の剥落により、マイナス圏で推移する可能性が高い。緊急事態宣言の全面解除や政策効果もあって景気は5月頃に底打ちしたとみられる。景気の回復ペースは緩やかにとどまり、マクロの需給バランスの悪化による物価の下押しは続くだろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
-
2024年12月消費統計
耐久財は強いが非耐久財が弱く、総じて見れば前月から概ね横ばい
2025年02月07日
-
インド2025年度予算案:消費回復が民間投資を促す好循環を生むか
企業投資の誘発効果の大きい耐久財セクターへの波及がポイント
2025年02月06日
-
消費データブック(2025/2/4号)
個社データ・業界統計・JCB消費NOWから消費動向を先取り
2025年02月04日
-
「稼ぐ力」の強化に向けたコーポレートガバナンス研究会 会社法の改正に関する報告書
従業員等への株式の無償交付、株式対価M&A、実質株主の把握など
2025年02月04日
-
中小企業の更なるM&A促進には環境整備が急務
2025年02月07日
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
-
2025年度税制改正大綱解説
大綱の公表で完結せず、法案の衆議院通過まで議論が続くか
2025年01月06日
-
2025年の中国経済見通し
注目点は①不動産不況の行方、②トランプ2.0 vs 内需拡大
2024年12月20日
-
石破政権の看板政策「2020年代に最低賃金1500円」は達成可能?
極めて達成困難な目標で、地方経済や中小企業に過重な負担の恐れ
2024年10月17日
-
岐路に立つ日本の人的資本形成
残業制限、転職市場の活発化、デジタル化が迫る教育・訓練の変革
2025年01月09日
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
2025年度税制改正大綱解説
大綱の公表で完結せず、法案の衆議院通過まで議論が続くか
2025年01月06日
2025年の中国経済見通し
注目点は①不動産不況の行方、②トランプ2.0 vs 内需拡大
2024年12月20日
石破政権の看板政策「2020年代に最低賃金1500円」は達成可能?
極めて達成困難な目標で、地方経済や中小企業に過重な負担の恐れ
2024年10月17日
岐路に立つ日本の人的資本形成
残業制限、転職市場の活発化、デジタル化が迫る教育・訓練の変革
2025年01月09日