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自粛延長で急務の追加経済対策(経済見通しを下方修正)

海外見通しの悪化で20年度の実質GDP成長率は▲5.8%

2020年05月13日

経済調査部 シニアエコノミスト 神田 慶司

経済調査部 エコノミスト 山口 茜

経済調査部 研究員 田村 統久

サマリー

◆緊急事態宣言下の厳しい自粛が1カ月延びると、個人消費は4.5兆円程度抑制されるとみられる。報道によると、38県で前倒しの宣言解除が検討されているが、そうなれば個人消費の抑制額は3.7兆円程度に縮小する。感染再拡大のリスクは小さくないため、解除後も不要不急の外出自粛などは継続されると考えられる。個人消費は緩やかな回復にとどまり、新型コロナウイルス感染症発生前の消費水準に戻るにはかなりの時間を要するだろう。

◆「総合経済対策」分を除く緊急経済対策の経済効果は、実質GDP換算で0.8%程度と試算される。3.3%程度とする内閣府の試算値よりもかなり小さい。約13兆円の特別定額給付金の消費喚起効果を低く見積もったことや、最終需要の発現が見込みにくい施策を算入していないことなどが主な理由である。

◆自粛の長期化で打撃を受けやすい飲食サービス業などでは特に、企業の固定費の負担軽減が急務である。このうち雇用調整助成金については、生活給としての役割が特に大きい所定内給与並みの収入を保証する観点から、日額上限を現在の約1.5倍にあたる12,000円程度に引き上げることが少なくとも求められる。

◆感染拡大が6月前後に収束に向かうとの前提の下、日本の実質GDP成長率は2020年度で▲5.8%、2021年度で+3.5%の見込みである。米欧中の経済見通しの悪化などにより、4月8日時点の見通しから下方修正した。一方、2021年初に収束に向かうシナリオにおける実質GDPは、厳しい感染拡大防止策の影響もあって「L字」のような推移を見込んでいる。2022年1-3月期においても、実質GDPの水準は消費増税直前の2019年7-9月期を10%ほど下回るとみられる。

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