サマリー
◆【企業部門】9月は全体的に弱い動きとなった。輸出数量は前月比▲0.5%と、2ヶ月連続で減少した。地域別に見ると、アジア向けは同+3.7%と増加したものの、米国向け(同▲2.6%)、EU向け(同▲2.2%)が減少した。鉱工業生産指数は同+1.7%と2ヶ月ぶりに上昇したが、一部業種が一時的に上振れしたことによるもので、全体の基調は依然強くない。また機械受注(船舶・電力を除く民需)は同▲2.9%と3ヶ月連続で減少した。
◆【家計部門】雇用・賃金はまちまちであったが、消費増税前の駆け込み需要を受け消費は大幅に増加した。就業者数は前月差▲5万人と4ヶ月ぶりに減少し、失業率は2.4%(同+0.2%pt)に上昇した。一方、実質賃金(共通事業所ベース、大和総研試算)は前年同月比+0.3%と3ヶ月ぶりに増加に転じた。個人消費は、消費増税前の駆け込み需要が幅広い業種・品目で生じたことを背景に、前月比+5.5%と2ヶ月連続で増加した。
◆【四半期指標】2019年7-9月期の実質GDP成長率は前期比年率+0.2%(前期比+0.1%)となり、市場コンセンサス(前期比年率+0.8%、前期比+0.2%)を大幅に下回った。GDPの特性上、自動車の駆け込み需要が出荷段階で4-6月期からカウントされ7-9月期の消費の伸びが統計上は抑制されたこと、7-9月期に在庫が減少したことに加えて、輸出が振るわなかったことから、4四半期連続ながら辛うじてのプラス成長となっている。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年8月消費統計
サービス消費が強く、総じて見れば前月から小幅に増加
2025年10月07日
-
財政悪化が日本経済にもたらす影響とリスクの定量評価
成長力強化と財政健全化で将来の財政危機発生リスクの抑制を
2025年10月07日
-
日本財政の論点 – PB赤字と政府債務対GDP比低下両立の持続性
インフレ状態への移行に伴う一時的な両立であり、その持続性は低い
2025年10月06日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
第226回日本経済予測(改訂版)
低成長・物価高の日本が取るべき政策とは?①格差問題、②財政リスク、を検証
2025年09月08日
-
聖域なきスタンダード市場改革議論
上場維持基準などの見直しにも言及
2025年09月22日
-
今後の証券業界において求められる不正アクセス等防止策とは
金融庁と日本証券業協会がインターネット取引の新指針案を公表
2025年09月01日
-
日本経済見通し:2025年9月
トランプ関税で対米輸出が大幅減、製造業や賃上げ等への影響は?
2025年09月25日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
第226回日本経済予測(改訂版)
低成長・物価高の日本が取るべき政策とは?①格差問題、②財政リスク、を検証
2025年09月08日
聖域なきスタンダード市場改革議論
上場維持基準などの見直しにも言及
2025年09月22日
今後の証券業界において求められる不正アクセス等防止策とは
金融庁と日本証券業協会がインターネット取引の新指針案を公表
2025年09月01日
日本経済見通し:2025年9月
トランプ関税で対米輸出が大幅減、製造業や賃上げ等への影響は?
2025年09月25日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日