経済指標の要点(10/18~11/18発表統計分)

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2019年11月18日

  • 経済調査部 エコノミスト 田村 統久
  • 経済調査部 研究員 中田 理惠
  • 経済調査部 エコノミスト 小林 若葉
  • 小林 俊介
  • 経済調査部 エコノミスト 岸川 和馬

サマリー

◆【企業部門】9月は全体的に弱い動きとなった。輸出数量は前月比▲0.5%と、2ヶ月連続で減少した。地域別に見ると、アジア向けは同+3.7%と増加したものの、米国向け(同▲2.6%)、EU向け(同▲2.2%)が減少した。鉱工業生産指数は同+1.7%と2ヶ月ぶりに上昇したが、一部業種が一時的に上振れしたことによるもので、全体の基調は依然強くない。また機械受注(船舶・電力を除く民需)は同▲2.9%と3ヶ月連続で減少した。

◆【家計部門】雇用・賃金はまちまちであったが、消費増税前の駆け込み需要を受け消費は大幅に増加した。就業者数は前月差▲5万人と4ヶ月ぶりに減少し、失業率は2.4%(同+0.2%pt)に上昇した。一方、実質賃金(共通事業所ベース、大和総研試算)は前年同月比+0.3%と3ヶ月ぶりに増加に転じた。個人消費は、消費増税前の駆け込み需要が幅広い業種・品目で生じたことを背景に、前月比+5.5%と2ヶ月連続で増加した。

◆【四半期指標】2019年7-9月期の実質GDP成長率は前期比年率+0.2%(前期比+0.1%)となり、市場コンセンサス(前期比年率+0.8%、前期比+0.2%)を大幅に下回った。GDPの特性上、自動車の駆け込み需要が出荷段階で4-6月期からカウントされ7-9月期の消費の伸びが統計上は抑制されたこと、7-9月期に在庫が減少したことに加えて、輸出が振るわなかったことから、4四半期連続ながら辛うじてのプラス成長となっている。

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