19年度設備投資は前年度比横ばい圏で着地か

〈DBJ設備投資計画調査〉堅調な計画も、米中通商交渉の行方がリスク

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2019年08月05日

  • 鈴木 雄大郎
  • 経済調査部 エコノミスト 小林 若葉

サマリー

◆日本政策投資銀行が公表した2018・2019・2020年度の全国設備投資計画調査(大企業)によると、2018年度の国内設備投資額(全産業)は、前年度比+11.4%となった。2018年度は世界経済の減速懸念や米中貿易摩擦による先行き不透明感から下方修正幅は▲10.2%ptと過去10年の平均(▲8.9%pt)と比べて修正幅は大きかったが、実績としては28年ぶりの高い伸びとなった。

◆2019年度の国内設備投資計画(全産業)は前年度比+11.5%となった。2018年度が高い伸びであり、発射台が高いにもかかわらず2桁の伸びを維持しており、設備投資意欲は減退していないようだ。業種別では、製造業は同+13.5%、非製造業は同+10.5%と計画されている。

◆通常、設備投資計画は上振れのバイアスがあるため、2019年度は前年度比で横ばい圏で着地するとみている。トランプ米大統領は「第4弾」となる10%の対中追加関税を9月に発動する方針を表明したが、今後の交渉次第で関税率が25%へ引き上げられることは十分に考えられる。そうなれば、輸出企業を中心に設備投資に対する慎重な姿勢が強まるだろう。

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