2019年4月機械受注

3ヶ月連続で増加も、先行きは下振れリスクへの一層の警戒が必要

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2019年06月12日

  • 鈴木 雄大郎
  • 小林 俊介

サマリー

◆4月の機械受注(船電除く民需)は前月比+5.2%と3ヶ月連続で増加した。受注額は2017年中ごろから増加基調にあったが2018年央にピークアウトしている。この3ヶ月は一部業種での大型受注によって増加しているが、製造業を中心に多くの業種で減少基調にある。

◆受注額を業種別に見ると、製造業は前月比+16.3%と2ヶ月ぶりに増加した。業種別に見ると、造船業、はん用・生産用機械、その他輸送用機械などが増加に寄与した。他方、非製造業(船電除く)は同+1.2%と2ヶ月連続で増加した。人手不足が深刻な運輸業・郵便業などの受注が下支えし、底堅く推移している。

◆外需は前月比▲24.7%と3ヶ月ぶりに減少したが、2018年秋以降、均すと弱含んで推移している。

◆先行きの機械受注は、緩やかな減少基調が続くと予想する。世界経済の減速や5月以降再燃している米中の通商摩擦などの影響により製造業は減少基調をたどるだろう。一方、相対的に輸出依存度の低い非製造業において人手不足に対応するための省人化投資などの底堅い需要が期待されるため、受注全体では緩やかな減少にとどまるとみている。

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