サマリー
◆10月の機械受注(船舶・電力を除く民需)は、前月比+7.6%と2ヶ月ぶりに増加した。市場コンセンサスも反動増を予想していたが、僅かに届かなかった。内閣府は基調判断を「持ち直しの動きに足踏みがみられる」へと4ヶ月ぶりに下方修正した。
◆業種別に受注額の動きを見ると、製造業は前月比+12.3%と2ヶ月ぶりに増加した。需要者別に受注を見ると、17業種中12業種が増加した。石油製品・石炭製品(同+490.2%)、自動車・同付属品(同+31.3%)、はん用・生産用機械(同+7.4%)などが増加に寄与した。他方、非製造業(船舶・電力を除く)の受注は同+4.5%と、2ヶ月ぶりに増加した。
◆外需は前月比+15.5%と2ヶ月ぶりに増加した。四半期で見ると、年初から3四半期連続で減少していたが、10月はいったん持ち直す結果となった。なお11日に公表された11月工作機械受注の外需(大和総研による季節調整値)は同▲17.7%と2ヶ月連続で減少している。10月は中国向けが同▲5.5%と減少しており、11月も中国向けが減少している可能性がある。
◆先行きの機械受注は、緩やかに増加するが、来年消費増税が見込まれていることを踏まえれば、2019年半ばごろには減速するとみている。当面は円高懸念が後退していることに加え、企業の潤沢なキャッシュフローが設備投資の下支え要因となろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年5月全国消費者物価
米価格の上昇が他の食料品や外食など関連品目の価格にも波及
2025年06月20日
-
2025年5月貿易統計
輸出数量は横ばい圏を維持も、円高効果等で輸出額は8カ月ぶりに減少
2025年06月18日
-
2025年4月機械受注
民需(船電除く)は減少し、コンセンサス通りの結果だった
2025年06月18日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
-
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
-
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日