2018年10月機械受注

徐々にピークを迎えつつある内需、製造業は反動で大幅増

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2018年12月12日

  • 鈴木 雄大郎
  • 小林 俊介

サマリー

◆10月の機械受注(船舶・電力を除く民需)は、前月比+7.6%と2ヶ月ぶりに増加した。市場コンセンサスも反動増を予想していたが、僅かに届かなかった。内閣府は基調判断を「持ち直しの動きに足踏みがみられる」へと4ヶ月ぶりに下方修正した。

◆業種別に受注額の動きを見ると、製造業は前月比+12.3%と2ヶ月ぶりに増加した。需要者別に受注を見ると、17業種中12業種が増加した。石油製品・石炭製品(同+490.2%)、自動車・同付属品(同+31.3%)、はん用・生産用機械(同+7.4%)などが増加に寄与した。他方、非製造業(船舶・電力を除く)の受注は同+4.5%と、2ヶ月ぶりに増加した。

◆外需は前月比+15.5%と2ヶ月ぶりに増加した。四半期で見ると、年初から3四半期連続で減少していたが、10月はいったん持ち直す結果となった。なお11日に公表された11月工作機械受注の外需(大和総研による季節調整値)は同▲17.7%と2ヶ月連続で減少している。10月は中国向けが同▲5.5%と減少しており、11月も中国向けが減少している可能性がある。

◆先行きの機械受注は、緩やかに増加するが、来年消費増税が見込まれていることを踏まえれば、2019年半ばごろには減速するとみている。当面は円高懸念が後退していることに加え、企業の潤沢なキャッシュフローが設備投資の下支え要因となろう。

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