サマリー
◆10月の生産指数は前月比+2.9%と2ヶ月ぶりに上昇し、コンセンサス(同+1.2%)も上回った。9月は台風21号や北海道胆振東部地震の影響があった他、関西国際空港の閉鎖や欧州での燃費基準改正による自動車販売の不調など輸出においても特殊要因があり、生産が下振れしていたが、10月は反動が出た。9、10月の平均値を見ると8月比+1.1%と均して見ても生産は堅調である。なお、先行きを製造工業生産予測調査で見ると、11月:前月比+0.6%、12月:同+2.2%となっている。ただし、11月の先行き試算値(生産計画のバイアスを補正した値)は同▲2.1%であり、先行きの基調は強くはない。
◆業種別では、汎用・業務用機械工業や電子部品・デバイス工業などが上昇した。品目別ではコンベヤ、アクティブ型液晶パネル(中・小型)などが上昇に寄与した。汎用・業務用機械工業は高水準の生産を維持しているものの上昇ペースは鈍化している。2018年に入り、在庫が増加傾向である点にも留意したい。電子部品・デバイス工業についても8月ごろから増勢が鈍化している。
◆出荷指数と在庫指数を見ると、出荷指数が前月比+5.4%と大幅に上昇した一方で、在庫指数は同▲1.4%と単月で見れば明るい内容となった。ただし、9月、10月の平均値を見ると、出荷指数が8月比+0.6%、在庫指数が同+0.5%である。出荷は小幅増であった一方、在庫は災害の影響などで積み上がった分を消化しきれていない可能性がある。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年5月機械受注
民需(船電除く)は小幅に減少したが、コンセンサスに近い結果
2025年07月14日
-
国内旅行消費、押し上げの鍵は「分散化」
国・自治体・企業の連携で旅行の時期を分散し費用減と混雑の緩和を
2025年07月11日
-
経済指標の要点(6/18~7/11発表統計分)
2025年07月11日
最新のレポート・コラム
-
「九州・沖縄」「北海道」など5地域で悪化~円高などの影響で消費の勢いが弱まる
2025年7月 大和地域AI(地域愛)インデックス
2025年07月14日
-
2025年5月機械受注
民需(船電除く)は小幅に減少したが、コンセンサスに近い結果
2025年07月14日
-
不平等・社会関連財務情報開示タスクフォース(TISFD)の構想と日本企業への示唆
影響、依存、リスクと機会(IDROs)をいかに捉え、対処するか
2025年07月14日
-
トランプ減税2.0、“OBBBA”が成立
財政リスクの高まりによる、金融環境・景気への悪影響に要注意
2025年07月11日
-
中央値で見ても、やはり若者が貧しくなってはいない
~20代男女の実質可処分所得の推移・中央値版
2025年07月14日
よく読まれているリサーチレポート
-
第225回日本経済予測(改訂版)
人口減少下の日本、持続的成長への道筋①成長力強化、②社会保障制度改革、③財政健全化、を検証
2025年06月09日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
「トランプ2.0」、外国企業への「報復課税」?
Section 899(案)、米国に投資する日本企業にもダメージの可能性有
2025年06月13日
-
日本経済見通し:2025年5月
経済見通しを改訂/景気回復を見込むもトランプ関税などに警戒
2025年05月23日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
第225回日本経済予測(改訂版)
人口減少下の日本、持続的成長への道筋①成長力強化、②社会保障制度改革、③財政健全化、を検証
2025年06月09日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
「トランプ2.0」、外国企業への「報復課税」?
Section 899(案)、米国に投資する日本企業にもダメージの可能性有
2025年06月13日
日本経済見通し:2025年5月
経済見通しを改訂/景気回復を見込むもトランプ関税などに警戒
2025年05月23日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日