サマリー
◆8月の機械受注(船舶・電力を除く民需)は、前月比+6.8%と2ヶ月連続で増加した。反動減を予想していた市場コンセンサスに反し、ポジティブサプライズの結果となった。内閣府の7-9月期の見通しは前期比▲0.3%の見込みであるが、9月が前月比▲20%を超える減少であっても達成可能な状況である。内閣府は基調判断を「持ち直しの動きがみられる」へと上方修正した。
◆製造業は前月比+6.6%と2ヶ月連続で増加した。需要者別に受注を見ると、17業種中、11業種が増加した。鉄鋼業(同+85.3%)、自動車・同付属品(同+17.7%)、化学工業(同+9.5%)などが増加に寄与した。鉄鋼業は米国の関税引き上げに伴い、5~7月は減少が続いていたが、8月はいったん持ち直した。
◆非製造業(船舶・電力を除く)の受注は、前月比+6.0%と2ヶ月連続で増加した。業種別に見ると、11業種中6業種で増加した。運輸業・郵便業(同+64.2%)や建設業(同+12.7%)が増加に寄与した。この2業種は前月も2桁の増加をしている。
◆先行きについては、日本政策投資銀行の2018年度設備投資計画調査や9月日銀短観からも企業の設備投資意欲の強さが見られており、製造業を中心に引き続き好調な受注が続くとみている。特に、省人化投資や能力増強投資の受注が全体を押し上げるだろう。ただし、足下では受注残高の積み上がりも加速しており、設備投資へのラグが長期化している可能性があることには留意する必要がある。
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