サマリー
◆7月の生産指数は前月比▲0.1%と3ヶ月連続で低下し、コンセンサス(同+0.2%)も下回った。先行きを製造工業生産予測調査で見ると、2018年8月:同+5.6%、9月:同+0.5%となっている。なお、8月の先行き試算値(生産計画のバイアスを補正した最頻値)は同+1.2%であり、プラス推移となる可能性が高い。また、7月の貿易統計では、輸出は前月比でほぼ横ばいであり、内外需ともに力強さを欠いたことが生産に影響したようである。
◆業種別では、輸送機械工業(前月比▲4.2%)やはん用・生産用・業務用機械工業(同▲2.1%)、鉄鋼業(同▲5.0%)が低下した。品目別では普通乗用車、機械プレス、普通鋼鋼帯などが低下に寄与した。輸送機械工業では、西日本豪雨による生産停止の影響があった他、輸出も振るわなかったことが影響したもようである。鉄鋼業においても、西日本豪雨や台風などによって一部の工場で生産が停止していたため、この影響が出たとみられる。はん用・生産用・業務用機械は、出荷が減少したことが生産にも影響したものとみられる。
◆7月は、出荷が大きく低下(前月比▲1.9%)しており、生産を上回る下げ幅となっている。業種別に見ると、輸送機械工業(同▲7.8%)、はん用・生産用・業務用機械工業(同▲1.3%)、鉄鋼業(同▲2.1%)などで出荷が低下しており、特に輸送機械工業のマイナス寄与が大きい。豪雨による影響が大きいとみられ、出荷の減少は一定程度割り引いて見る必要があるだろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年4-6月期GDP(2次速報)
実質GDP成長率は前期比年率+2.2%に高まるも民間在庫などが主因
2025年09月08日
-
一億自己啓発社会の死角
データが示す、転職志向・子育て・ジェンダーにおける格差
2025年09月05日
-
2025年7月消費統計
需要側統計は強いが供給側は弱く、総じて見れば前月から概ね横ばい
2025年09月05日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
-
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
-
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日