2018年7月鉱工業生産

輸出の伸び悩みに加え西日本豪雨の影響もあり、前月比▲0.1%

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2018年08月31日

  • 経済調査部 研究員 廣野 洋太
  • 小林 俊介

サマリー

◆7月の生産指数は前月比▲0.1%と3ヶ月連続で低下し、コンセンサス(同+0.2%)も下回った。先行きを製造工業生産予測調査で見ると、2018年8月:同+5.6%、9月:同+0.5%となっている。なお、8月の先行き試算値(生産計画のバイアスを補正した最頻値)は同+1.2%であり、プラス推移となる可能性が高い。また、7月の貿易統計では、輸出は前月比でほぼ横ばいであり、内外需ともに力強さを欠いたことが生産に影響したようである。

◆業種別では、輸送機械工業(前月比▲4.2%)やはん用・生産用・業務用機械工業(同▲2.1%)、鉄鋼業(同▲5.0%)が低下した。品目別では普通乗用車、機械プレス、普通鋼鋼帯などが低下に寄与した。輸送機械工業では、西日本豪雨による生産停止の影響があった他、輸出も振るわなかったことが影響したもようである。鉄鋼業においても、西日本豪雨や台風などによって一部の工場で生産が停止していたため、この影響が出たとみられる。はん用・生産用・業務用機械は、出荷が減少したことが生産にも影響したものとみられる。

◆7月は、出荷が大きく低下(前月比▲1.9%)しており、生産を上回る下げ幅となっている。業種別に見ると、輸送機械工業(同▲7.8%)、はん用・生産用・業務用機械工業(同▲1.3%)、鉄鋼業(同▲2.1%)などで出荷が低下しており、特に輸送機械工業のマイナス寄与が大きい。豪雨による影響が大きいとみられ、出荷の減少は一定程度割り引いて見る必要があるだろう。

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