サマリー
◆今後、政治・経済の両面から2019年10月の消費増税を見据えた議論が活発に行われる見込みである。本稿では、前回2014年4月の消費増税の経験を振り返りつつ、消費増税の影響度や今後の課題などについて考察することにしたい。
◆2014年度の実質GDP成長率の市場コンセンサスは、段々と引き下げられ、2014年度(一次速報)の実績値が公表される直前の2015年5月には、前年度比▲0.98%まで低下することとなる。GDPの内訳を見ても、個人消費、住宅投資、設備投資といった民需が総崩れの様相を呈していたことが分かる。まさに、想定外の下振れであったと言えよう。
◆物価変動の影響を除いた一人当たり実質賃金は、一般労働者とパートタイム労働者のいずれも前回の消費増税前の水準を下回っており、低迷状態が続いている。すなわち、家計の実質的な購買力は消費増税前より低下しており、そして、このことが家計における景気回復の実感のなさや、根強い節約志向につながっていると考えられる。
◆2019年10月に予定されている消費増税の影響度について、消費者物価(CPI)の押し上げ幅の比較を通じて整理する。結論として、2019年10月に予定されている消費増税は、過去3回と比較して最も影響度が小さくなり、さらには、前回の消費増税の半分以下にとどまる見込みである。
◆2019年10月に予定されている消費増税時において、個人消費の反動減の影響度を試算すると、軽減税率なしのケースで▲2.3兆円程度、軽減税率ありのケースで▲1.7兆円程度となる。消費増税後の所得効果については、「②軽減税率あり+幼児教育無償化なし」のケースで▲0.9兆円程度、「③軽減税率あり+幼児教育無償化あり」のケースで▲0.3兆円程度と試算される。
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