2018年4月消費統計
高額・低頻度消費のぶれを除けば、個人消費は前月比増
2018年06月05日
サマリー
◆2018年4月の家計調査では、実質消費支出は前月比で減少したものの、自動車など高額・低頻度消費によるぶれが大きく、方向性のつかみにくい結果となった。一方、このようなぶれを抑制することが目的の一つとされている世帯消費動向指数(CTIミクロ)では前月比増となっている。さらに、家計調査などの需要側統計に商業動態統計など供給側の統計を合成した総消費動向指数(CTIマクロ)においても実質消費は前月比増となっている。以上を踏まえると、4月の個人消費は、実態としては前月比増であったと判断できよう。
◆2018年4月の家計調査によると、実質消費支出は季節調整済み前月比▲1.6%と3ヶ月連続で減少した。実質消費支出の動きを費目別に見ると、10大費目中4費目が前月から減少した。「交通・通信」(同▲11.1%)、「光熱・水道」(同▲4.9%)などが押し下げに寄与した一方で、「その他の消費支出」(同+8.0%)、「住居」(同+18.1%)などが増加した。
◆2018年4月の商業動態統計を見ると、名目小売販売額は前月比+1.4%と2ヶ月ぶりに増加した。業種別に見ると、「自動車小売業」(同+5.5%)、「燃料小売業」(同+3.8%)などが増加に寄与した。一方、減少したのは「飲食料品小売業」(前月比▲0.5%)のみであった。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
2018年03月09日
新指標、消費動向指数(CTI)に注目
他の消費関連統計や統計的手法で家計調査を補完
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
-
2021年01月19日
コロナ禍での中小企業の資金繰り動向
資金繰りとバランスシートの頑健性を点検
-
2021年01月19日
消費データブック(1/19号)
個社データ・業界統計・POSデータで足元の消費動向を先取り
-
2021年01月19日
何故、ミャンマーじゃないの
ミャンマーとベトナム、明暗分かれる
-
2021年01月18日
経済指標の要点(12/16~1/18発表統計分)
-
2021年01月20日
新たな科学技術・イノベーション政策への期待
よく読まれているリサーチレポート
-
2020年12月17日
2021年の日本経済見通し
+2%超の成長を見込むも感染状況次第で上下に大きく振れる可能性
-
2020年12月01日
2020年10月雇用統計
有効求人倍率が1年半ぶりに上昇
-
2020年11月20日
日本経済見通し:2020年11月
経済見通しを改訂/景気回復が続くも、感染爆発懸念は強まる
-
2020年08月14日
来春に改訂されるCGコードの論点
東証再編時における市場選択の観点からも要注目
-
2020年10月15日
緊急事態宣言解除後の地域別観光動向/Go To トラベルキャンペーンのインパクト試算
ローカルツーリズムが回復に寄与するも、依然厳しい状況が続く