サマリー
米国でリーマン・ショックが起きてから10 年が経過しているが、当初対岸の火事と思われた日本経済も、金融市場の混乱・世界的不況に巻き込まれ、深刻な景気後退に陥った。10 年間のうち前半5年間は景気後退とそれに続く低迷期であり、対照的に後半5年間はアベノミクスという景気拡大期だった。
戦後2番目の長さの景気拡張となったアベノミクスは、過去と比べて成長スピードが緩慢で、実感に乏しいと言われて久しいが、企業収益や労働需給の改善、株価上昇などの数字を見る限り、及第点を取ることができよう。
ただ、この10 年間を振り返ると、解決を先送りしてきた課題も多い。アベノミクスが戦後最長の景気拡張になるためには、「成長と分配の好循環」の加速が不可欠だが、そのカギを握る企業の期待成長率はほとんど変わっていない。従って、企業マインドに変化をもたらすように、潜在成長率を高める成長戦略の重要性が増していくとみられる。
一方、日銀の金融政策はアベノミクスを積極的に支えてきたが、足元では手詰まり感が強い。リーマン・ショックの打撃が小さかった日本の金融機関だが、現行の政策の影響で収益性は大きく低下しており、今後が懸念される。

大和総研調査本部が長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
出産年齢から見るChild Penalty①
就業継続の広がりと先行研究から見える課題
2026年11月06日
-
消費データブック(2026/11/5号)
個社データ・業界統計・JCB消費NOWから消費動向を先取り
2026年11月05日
-
2026年7-9月期GDP(1次速報)予測 ~前期比年率+1.5%を予想~
個人消費は小幅減だった一方、設備投資と輸出が実質GDPを押し上げ
2026年10月30日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本の長期金利、2035年に5%台の可能性
2035年に3.5~4.2%程度で、海外保有拡大で1%pt超の上乗せも
2026年10月16日
-
増える高齢富裕層とその地域分布
高齢富裕層はどこにいるのか、その資産は今後どこへ向かうのか
2026年10月01日
-
金利上昇と「資本コストや株価を意識した経営」
金利上昇による資本コスト上昇は限定的だが引き続き要注視
2026年10月13日
-
預貸率における地域間格差
東京都への一極集中と地域金融機関に期待される対応
2026年10月02日
-
飲食料品の消費減税による消費行動への影響
買い控え・反動増は限定的。外食支援策は実態を見極めた対応を
2026年10月19日
日本の長期金利、2035年に5%台の可能性
2035年に3.5~4.2%程度で、海外保有拡大で1%pt超の上乗せも
2026年10月16日
増える高齢富裕層とその地域分布
高齢富裕層はどこにいるのか、その資産は今後どこへ向かうのか
2026年10月01日
金利上昇と「資本コストや株価を意識した経営」
金利上昇による資本コスト上昇は限定的だが引き続き要注視
2026年10月13日
預貸率における地域間格差
東京都への一極集中と地域金融機関に期待される対応
2026年10月02日
飲食料品の消費減税による消費行動への影響
買い控え・反動増は限定的。外食支援策は実態を見極めた対応を
2026年10月19日

