2017年5月全国消費者物価

プラス基調が続くものの、日銀の物価見通しは下方修正へ

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2017年06月30日

  • 金融調査部 主任研究員 長内 智
  • 小林 俊介

サマリー

◆2017年5月の全国コアCPI(除く生鮮食品)は前年比+0.4%と5ヶ月連続のプラスとなり、市場コンセンサス(同+0.4%)通りの結果となった。財・サービス別(4分類)の寄与度の「変化」を見ると、「耐久消費財」「半耐久消費財」「サービス」が概ね横ばいとなり、エネルギーを含む「コア非耐久消費財(除く生鮮食品)」が押し上げに寄与した。


◆2017年6月の東京都区部コアCPI(中旬速報値)は、前年比+0.0%(5月:同+0.1%)となった。前月からの寄与度の「変化」を確認すると、「耐久消費財」と「半耐久消費財」が横ばい、「コア非耐久消費財」が押し上げに寄与した一方で、「サービス」が全体を押し下げた。6月の東京都区部コアCPIの結果を踏まえると、6月の全国コアCPIは前年比+0.4%と見込まれる。


◆消費者物価は日本銀行のインフレ目標に向けて緩やかに上昇すると見込まれる。ただし、それでもなお日本銀行の「2%」というインフレ目標のハードルは高い。日本銀行は、2017年4月の「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」において、2017年度の全国コアCPIの見通しを前年比+1.5%から同+1.4%へと小幅に下方修正したが、足下の経済・物価環境を踏まえると、7月の展望レポートにおいて、再度下方修正に迫られる可能性が高い。

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